あさきゆめみし&光る君への舞台【京都御所】を聖地巡礼!床と〇を見れば平安建築が分かる!?
光源氏の恋愛と波乱が描かれた古典文学『源氏物語』
平安時代の宮廷の華やかさや、現代人にも通ずる繊細な人間描写は多くの人を魅了し、「あさきゆめみし」をはじめマンガや小説にもなり読み継がれています。
2024年は『源氏物語』の主人公・紫式部が主人公の大河ドラマ「光る君へ」が始まり、『源氏物語』yearともいえる1年です。
その『源氏物語』や、マンガ「あさきゆめみし」、大河ドラマ「光る君へ」の聖地の1つといえるのが京都御所。
築地塀で囲まれた、南北約450m・東西約250mの敷地内では、日本の宮殿建築や御内庭などを見ることができます。
現在は宮内庁が管理し、予約不要・入場無料で見学可能です。
こちらの記事では「あさきゆめみし」や「光る君へ」の聖地巡礼をするなら見ておきたい「京都御所」の見どころと、知れば「あさきゆめみし」や「光る君へ」がもっと面白くなる平安建築の豆知識をお届けします!
内裏(御所)は火災に遭うたび、再建や移転されており、現在の場所(京都市上京区)となったのは1331年。
1869年に明治天皇が東京に移られるまでの約500年間、天皇のお住まいでした。
現在の建物はすべて平安時代より後に建てられましたが「古来の儀式を本来の姿で行うために必要な舞台を」との理由から、平安時代の様式にて建てられた建物も多く、マンガ「あさきゆめみし」や大河ドラマ「光る君へ」に思いを馳せることができる場所です。
貴族が参内し天皇と対面するため使用した玄関「御車寄」や、天皇陛下や国賓が来られた際のみ開く門「建礼門」など歴史に触れながら、平安時代ファンが目指すべきは「紫宸殿」
紫宸殿(写真提供:宮内庁京都事務所)
講談社コミックスミミ あさきゆめみし 2⃣ 第弐部其弐 大和和紀 講談社
「あさきゆめみし」や「光る君へ」で度々登場する「紫宸殿」
天皇の即位をはじめ重要な儀式が執り行われた最も格式の高い正殿で、平安時代の様式を再現し建てられています。
実際に訪れると、かなり大きく重厚感があり、感動が高まります。
古来建築として注目したいのが、桧皮葺屋根。
こちらの桧皮葺屋根は30年に一度張替えが必要で、2025年春頃から張替えが予定されています。
張替え工事中は幕で囲まれるため、しばらく現在の姿を見学するのは難しくなるということで・・・聖地巡礼をするなら工事前の2024年がチャンス!
平安時代の戸(窓)は、上下開閉式の蔀戸(しとみど)で「上向きに開く」または「閉じる」の二択しかできませんでした。
ちょっと不便?そうですが、だからこそ平安時代、天皇や貴族は御簾を上手に使っていたのだろうなと想像できます。
この時代から引き戸があったなら・・・定子と清少納言の「香炉峰の雪」エピソードも生まれなかったかも!?
清涼殿
講談社コミックスミミ あさきゆめみし 2⃣ 第二部其三 大和和紀 講談社
平安建築に詳しくなったところで訪れたいのが「清涼殿」
天皇の日常のお住まいとして使われていました。
ちなみに清涼殿前の竹は、かつて内裏(御所)の傍に竹林があったことにちなみ植えられているのだそう。
日本建築というと、床いっぱいに敷きつめられた畳を思い浮かべますが・・・清涼殿の床は板の間がメイン!?
平安時代の建築は、部屋全体に「畳を敷きつめていなかった」といわれています。
部屋全体に畳を敷きつめるようになるのは鎌倉時代~室町時代、書院造が生まれた頃からなのだそうです。
清涼殿では、天皇のご日常の御座「昼御座」や一部の儀式などで畳が使われていました。
平安建築では「部屋全体に畳を敷きつめていない」「蔀戸」という情報を頭に入れて「御常御殿」へ。
御常御殿
室町時代以降に天皇のお住まいや、対面の場などとして使われた「御常御殿」では蔀戸は見られず、引き戸となっています。
御学問所
江戸時代に「清涼殿」から独立し、御読書始や和歌の会を開いたとされる御殿であったとされる「御学問所」の床には畳が敷きつめられていました。
戸と床を見れば何時代の建物か分かる・・・!?
京都御所には今回紹介した建物以外にも、回遊式庭園「御池庭」や、身分によって入れる部屋が違ったという公家の控室「諸大夫の間」などがあります。
500年以上にわたり天皇のお住まいだったという歴史の舞台に、
紫式部が『源氏物語』を綴り、天皇や貴族が歴史を動かした、平安時代の宮殿が再建されているというのが凄いところ。
「あさきゆめみし」や「光る君へ」ファンならきっと雅な時間を過ごせるはずです。
京都御所
所在地 | 京都府京都市上京区京都御苑内 |
開門時間 |
4月~8月9:00~16:20(最終退出17:00まで) |
参観休止日 | 月曜日(祝日の場合は翌日)、年末年始(12/28~1/4)、行事等が行われる日 |
参観料 | 無料 |
アクセス |
地下鉄「今出川駅」より徒歩5分、バス停「烏丸今出川」より徒歩7分 |
公式サイト | https://kyoto-gosho.kunaicho.go.jp/ |
©大和和紀 一九八〇年
©大和和紀 一九八一年
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