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第3回コンテンツクロスメディアセミナーを開催!「映像表現の未来について」

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KYOTO CMEXの公式イベントであるコンテンツクロスメディアセミナー。全3回の連続セミナーのうちの第3回目が、2016年10月26日に京都文化博物館において開催されました。講師には、マネキンのドラマ『オー!マイキー』、パフォーマンスグループ『キュピキュピ』、山田孝之主演映画『ミロクローゼ』をはじめ、数々の映像制作・パフォーマンスで知られる映像作家の石橋義正様をお迎えし、「映像表現の未来について」というテーマでご講演をいただきました。

小学生の頃から「映画監督になりたい」と考えていた石橋様は、京都市立芸術大学に入学。同大学院に在学中、英国王立芸術大学(RCA)映画科に交換留学し、映画の勉強をされました。帰国後は、「どうすれば映画以外の新しい映像産業を成立させることができるのか」を考えながら、映画制作や自主活動に取り組まれていたそうです。

制作活動を続ける中でテレビ放映のチャンスに恵まれ、その企画案から生まれた映像がドラマ『オー!マイキー』。本作での、俳優の代わりにマネキンを登場させるというアイディアについて、「限られた予算で斬新な映像を制作する方法を模索した結果として生まれたもので、予算がないという負の要素が逆にプラスになることがある」と語られました。

映像ビジネスにおける効果的な表現方法を模索する中で、「映像と映像以外のものとを組み合わせたパフォーマンスの重要性を感じる」と語る石橋様。「インターネットの普及に伴い、映像を見るために外へ出る機会がなくなってしまうのではないか」、「できるだけ外へ出る仕組みが必要」という考えに至り、メディアパフォーマンスを続ける中、2014年からは、世界的に活躍されているダンサー: 川口ゆい様と共に、Liveパフォーマンス『MatchAtria』(マッチャトリア)を主催。『MatchAtria』では、観客は3Dグラスやヘッドフォンを装着するだけではなく、ダンサーの鼓動にあわせて振動するシリコン製の心臓を模した装置を手に持ちながら観劇。機材や搬入出の関係で一度に30人しか観ることができず、また、ダンサーも一度の公演にパワーを出し切って行なうため、限られた人数しか参加できないという制約は伴うが、公演を重ねることで「映像産業の発展において、Liveパフォーマンスの存在は重要」という考え方はより確かなものになったそうです。

話題は映像技術の発展へ。昨今の映像技術について、複数のカメラで撮影したライブ映像をユーザーが自由に編集できる「多視点動画配信システム」や、テレビ局などの基地局を介さずにユーザーにリアルタイムで映像を配信するインフラレスのシステム、「Oculus Rift(オキュラス リフト)」をはじめとするVR、撮影した角度以外からの映像を補間する映像解析の技術、立体ホログラムなど、様々な技術をご紹介いただきました。

その上で、映像コンテンツの可能性について。京都市立芸術大学で石橋様が指導されている、博士課程在籍の笹岡由梨子氏による作品(操り人形を使って撮影した映像に、ご自身の表情を人形の顔に合成・コラージュして制作)を「ものすごい手作業」と紹介した上で、「必ずしも映像技術を発展させて超現実的なものを見せるのではなく、『手作りの映像でこんなものができるのか』と、見る人の既成概念を破壊すること」が重要とし、「革新的な作品は、時代の流れを追うのとはまた違う方法論を追いかけていかないと、なかなか生まれない」と、語りました。

京都を制作活動の地に選び続けている理由については、「京都にいると、日本人がもつアニミズム(自然や、身の回りの様々なものに霊力が宿っているとする信仰)的な感覚や、美意識を感じることができる。映像も、茶道や能楽のように、見る人が自分の頭のなかでクリエイション(創作)し、皆が違った感覚で楽しめるのが理想ではないかと思う。京都にいることで、その(感覚の)ガイドラインのようなものからずれないようにしよう、という意識がはたらいている」と語られました。

今後の制作活動や映像表現の未来については、「できるだけ多くの方に感動や興奮、スリルをお届けするとともに、ご覧いただいた方にとって『人生がいい方向に向いた』と思っていただけるような作品を生み出さなければいけないと思う」と語り、クリエイターに向けては「いま面白いと感じる作品ではなく、将来にあるべき、残っているべき作品をつくらなければいけない。それが映像の未来、大事な未来を作る」とメッセージをいただきました。

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