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京まふ10回記念!歴代担当者インタビュー第二弾【by立命館大学映像学部学生チーム】

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今回の開催で10回記念を迎える京まふ。京まふは、京都市と京まふ実行員会が主体となって開催しているマンガ・アニメイベントです。そこで、京まふを支えてきた歴代の担当者様にインタビューをしました。

 

今回インタビューを行ったのは、2014年〜2017年担当の天野さんです。

 

実は僕、はじめはマンガ・アニメに詳しくなかったんです。

 

ーーーーー早速にはなりますが、ご担当されていた時期に苦労されたことはどのようなことでしょうか?

 

「一番困ったことは、実は僕、はじめはマンガ・アニメに詳しくなかったんです。なので、前任がアニメ好きだったこともあり、後任の僕もアニメ詳しいんですよね、という前提で企業さんもお話されるんですが、正直さっぱりわからずといった感じで・・・。声優さんにも詳しくなかったので、声優さんがステージをするということも、何をするんだろう?と戸惑いが大きかったです。」

 

ーーーーそうなんですね・・・!確かに、声優さんをあまり知らない方からすると、なんで?と思いますよね。

 

「そうですね。 当然企業さんの方が作品等の知識が深いので、詳しく語ってくださったりして、僕の知っているマンガの知識って浅かったんだなと、企業さんとの交流を通じて勉強させてもらってました(笑)知識量のギャップを埋めるために、夜な夜な調べたりもしていましたね。」

 

京都と国際とマンガとアニメ

 

ーーーーーご担当されていた時期にチャレンジされたことはどのようなことでしょうか?

 

「チャレンジという意味では・・・、京まふの正式名称ってご存知ですか?」

 

ーーーーー京都国際マンガアニメフェア・・・ですよね?

 

「正解です。担当していた時期を今振り返ってみると、京都・国際・マンガ・アニメ、この四つの要素をそれぞれ充実させようと取り組んでいました。

アニメは原作があったり、声優がいらっしゃったり、グッズ展開などがあるので、元々イベントとして成立しやすいです。僕の担当の際はアニソンのステージを増やしたりしました。ですが、アニメの要素を充実させるだけではなく、京都・国際・マンガにも力を入れていました。

京都という要素では、京都の名所とコラボしたビジュアルを作ったり、市内での連動イベントで京都を巡ってもらい、来場者に京都の街を楽しんでもらえるようにしました。

国際という要素では、東アジアの都市との連携や、日本・台湾それぞれから5作品を団体戦形式で上映するCGアニカップを開催したり、海外のマンガ家に日本でデビューしてもらう漫画賞を作ったりしました。

マンガの要素では、出張編集部を二日間に増やしたり、マンガ原作の原画展を開きました。アニメだけでなくマンガもしっかり楽しめるイベントは意外と少ないのかなと思います。」

 

ーーーーー京都や国際にも力を入れたというのは、マンガ・アニメに詳しくなかった天野さんならではの目線のように思います。

 

「そうですね。名前に相応しいイベントになるように、というのを心がけていました。」

 

 

 

 

 

 

↑2015年のCGアニカップ

 

行政が関わる意味とは

 

ーーーーー京まふが他のマンガ・アニメイベントと異なる点はどのようなところでしょうか?

 

「行政が関わっているのに盛り上がっている点ですかね。行政が関わると固くてつまらないイメージがあると思うんですけど、出展企業の魅力のおかげですが、有料でありながらも楽しんでもらえているのが大きいのかなと思います。

では、行政が関わる意味とはどこなのか?というと、行政が関わっているからこそ、京都企業とマンガ・アニメとのコラボを働きかけやすかったり、人材育成企画として、出張編集部や今のように立命館の映像学部の学生とのコラボをすることで、学生にマンガ・アニメ業界に関わってもらう良いきっかけになっていることは行政が関わっている意義だと思います。

キャラが和服を着ていたり、京都ならではのコラボを生かしてマンガ・アニメファンに楽しんでもらいながらも、裏で人材育成・産業支援に繋がっているというところが京都の街のためになり、それを両立できているのが他のイベントと違う部分かなと思います。」

 

ーーーーー天野さんがご担当時に関わられた京都ものづくり企業との連携はどのようなものがありますか?

 

「陶器のお皿を作っている会社さんであったり、京都市の伝統産業ミュージアムにも相談しながら職人さんを紹介してもらったりしていました。つまみ細工の職人さんの店にお邪魔させてもらった時には、僕自身京都にいても知ることのなかった伝統産業の製作工程を見学して、手間がかかっていることを実感しました。普段どうしても伝統産業品は中高年以上の方が購入されることが多いと思うんですけど、マンガ・アニメとコラボすることで、対象年齢がぐっと下がり、手を出しやすくなって違う客層に知ってもらう機会になることはとても良いことだと思います。」

 

コンテンツ振興の窓口としての認知

 

ーーーーー京まふを開催してきたことによってコンテンツ産業やその他京都市産業にどのような変化や影響がありましたか?

 

「京都でコンテンツ振興を行っていることの知名度が上がったかなと思います。コンテンツ企業や何かをしたい人の窓口としての役割をしていることが認知されることで、京都とのコラボ商品や京都を舞台とした作品のロケ地などの支援、紹介の問い合わせが増えました。京まふをきっかけに繋がりのできた方たちもいれば、京まふを開催しているので京都市に問い合わせてみました、という方もいます。そういった繋がりから京まふ以外でもコンテンツ振興をすることで、若年層に京都に来てもらうきっかけにもなり、観光・産業面でも影響がありました。伝統・歴史以外の新しい切り口でのツーリズムができたのは京まふがあったからではないかと思います。」

 

ーーーーー新しい客層という意味では、海外のマンガアニメファンの観光客の増加にも繋がっていたりするのでしょうか?

 

「京都の場合、元々欧米の観光客が多かったのですが、近年アジアの方が増えている中で、マンガアニメに詳しい方も多くいらっしゃっています。伏見稲荷がアニメとのコラボをしていた際には、海外の方も多く歩かれていたと聞きました。海外へのPRにもなっていたのかなと思います。」

 

10回続いていることへの感謝とこれから

 

ーーーーー今年で10回目を迎える京まふですが、今後の京まふについてどう考えられていますか?

 

「担当していた身としては、色んな人に楽しんでもらえるまま、今後も続いていってくれたらいいなというのが一番です。担当していて実感したのは、マンガ・アニメに関わる企業が東京に集中していることです。そのため、出展する企業側からすると、東京近辺でイベントをする方が採算が取れ、安心感があると思うので、出展者、実行委員会の協力、京都で開催する意義、来場する人の数、会場でのグッズの売り上げ、これらの何か一つでも欠けると続けていくことができないと思っています。そのことを踏まえて、10回続いていることに対して、協力してくださっている全ての方に感謝を感じるとともに、これからもよろしくお願いしますという気持ちです。」

 

ーーーーー何か一つでも欠けたら続けることが出来ない、そうですよね。歴代の担当者さんのお力も欠かせないものですよね。歴代の担当者さんはマンガ・アニメが好きな方が多いと聞きました。

 

「歴代の担当の中で一番マンガ・アニメに対する知識が少なかったのは自分だと思います(笑)コンテンツ振興担当に配属されるまではもっと行政らしい内部の仕事をしていた中で、突然の配属でした。今でも覚えているのは、異動した週に上司が作成した『魔法少女は永遠に』という文章を見て、行政でこんな文字を見ることがあるとは思わず、いい意味で衝撃的でしたね(笑)他にも、アニメファンの方はアニメのEDテロップで声優の名前や制作会社に注目することも初めて知りました。」

 

ーーーーー 一般的には、そういったものに注目しない人たちの方が多数ですよね・・・

 

「京まふを担当して、世界が広がりました。マンガ・アニメに色んな人が関わっていて、それを好きな人がたくさんいることをすごく良いことだと思いました。それを知れたことは、今の業務にも繋がっていると感じます。」

 

 

 

 

 

 

二面性のある祭り

 

ーーーーーーーーーー最後になりますが、京まふを漢字一文字で表すとしたらどのように表現しますか?

 

「初めは『忙』(いそがしい)かなと考えたんです。担当していた一年目、二年目はブースの奥の事務局の小部屋での業務が忙しすぎて、そこから出られずイベントが終わりました。でもだんだん余裕が出てきて、今振り返ってみると、学園祭、文化祭のように準備をして当日みんなでワイワイ楽しむ『祭』(まつり)が一番適切だったのかなという気がしています。さっきも言ったと思いますが、京まふは来場者にとっては楽しく、実は京都のためになっているという二面性があるんですけど、祭りも同じだと思います。神社の夏祭りなども来ている人は屋台の出店などの楽しさ目的ですが、実際は神儀であり、疫病退散、祝祭などのために開催されていますよね。そのように京まふも『祭』として来場者に楽しんでもらいながら、実は京都の街のためになっている、という風に運営されていると思っています。」

 

 

『京都』や『国際』にも力を入れ、さらに京まふはパワーアップしていきました。みんなでワイワイ盛り上がりながらも京都の街のためにもなっているお祭り、京まふをぜひ今年もお楽しみください!

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

第三弾の2016~2018年担当者インタビューも近日投稿予定です。

 

 

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立命館大学映像学部学生チーム

投稿者プロフィール

メディア業界を目指す立命館大学映像学部生によるインターンのチームです。毎年、ファン視点からトレンドをピックアップできるのが強み。実際、このインターンを経て業界で活躍しているOB、OGも。ぜひ暖かく見守ってください!

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