2023年3月19日、宇治市のお茶と宇治のまち歴史公園を中心に「宇治市×京阪電車 響け!ユーフォニアム コラボレーションフェスタ2023」が開催されました。
『響け!ユーフォニアム』の聖地・宇治で行われた一大イベント。今年は天気にも恵まれ、大盛況でした。
お茶と宇治のまち歴史公園の屋外では、作品にゆかりのある高校や地元の中学校の吹奏楽部による青空コンサートが開かれました。京都橘高等学校、北宇治中学校、宇治中学校の演奏が、うららかな春の日差しが心地よい3月の空に響きます。
イベント会場は、京阪宇治駅からすぐのお茶と宇治のまち歴史公園。
京阪宇治駅構内にイベントのパネルが。
スマートフォンアプリ「COCOAR(ココアル)」で読み込むと、久美子たちと一緒に写真撮影が楽しめる「自撮り風フォトフレーム(1種)」をゲットできます。(2023年4月9日まで)
公園内にあるお茶と宇治のまち交流館 茶づな館内の体験室では「響け!ユーフォニアム 絵柄限定のオリジナル茶筒づくり体験」がこの日限定で開かれました。
体験室には満員のファン!体験室内のにぎやかな様子は、ファンミーティングのようです。
茶筒に『響け!ユーフォニアム』のイラストが描かれた和紙を貼って、手作りの茶筒を完成させる体験です。
茶づなの主任学芸員 中畑さんの「茶筒は、茶葉を発酵させないように、良い状態で茶葉を保存できる容器です。空気・水・湿度から大切なものを守ることができます。茶葉の保管はもちろんのこと、大切なグッズの保管にも最適。茶筒に貼るイラストは、8Kの技術を応用して和紙に印刷しているので、『響け!ユーフォニアム』のイラストの美しさをそのまま茶筒にできます」という言葉に、参加者から笑みがこぼれます。
茶筒づくり体験の材料
茶筒に和紙を貼るのは、意外と力が必要。二人一組で協力しながら作るため、自然とファン同士の交流が生まれます。「どこから来たんですか?」「誰推しですか?」などの会話もはずみ、体験室はさらに賑やかに。和紙を上手く貼れた参加者に対して、他の参加者が拍手を送るなど、あたたかな雰囲気の中で茶筒体験はおこなわれました。
二人一組で協力して作ります
茶筒の正面にどのキャラクターをもってくるかは、その人次第!
高坂麗奈推しの参加者二人の茶筒は、やはり正面に高坂麗奈が。世界に一つだけのオリジナル茶筒完成です。
茶づな館内では「企画展 ~響け!ユーフォニアム 宇治探訪~」が開催されていました。館内のいたるところに、作中に登場するシーンと実際の風景写真を並べて展示。
『響け!ユーフォニアム』作中には、宇治を中心に様々な場所が登場し、聖地巡礼のため宇治を訪れるファンも多くいます。アニメの場面写と写真を見比べて楽しめるのはもちろん、会場周辺にその場所が実在すると思うと、さらにワクワクします。
作中の京都と、実際の京都。見比べると聖地を巡りたくなります。(2023年3月26日まで展示)
茶づな館内では、オリジナルコラボグッズ販売も。京阪電車や京都タワーの『響け!ユーフォニアム』オリジナルコラボグッズが並びました。
『響け!ユーフォニアム』原作者、武田綾乃さんのトークショーもおこなわれました。武田綾乃さんと、同作品の発行元・宝島社 編集長の宇城卓秀さんによる対談形式のトークショーです。
写真左から、宝島社・編集長の宇城卓秀さん、原作者の武田綾乃さん
『響け!ユーフォニアム』シリーズ立ち上げのきっかけを聞かれた武田さんは「作家デビューは大学生の時です。デビュー作『今日、きみと息をする。』の打ち合わせ段階で、すでに2作目について編集者と話し合いました。小中学生のころ吹奏楽部に所属していたので、自分の記憶が鮮明なうちに、吹奏楽を題材にしたお話を書いておきたいと思っていたことが、この作品を書いたきっかけです」と話しました。
作品の舞台・宇治についての質問に、武田さんは「宇治は生まれ育った場所です。宇治で自分の作品のイベントができるのは本当にうれしい。当時、自分が通っていた学校は茶摘み体験の行事がありましたし、学校の水道蛇口から宇治茶が出ることは当たり前だと思っていましたが、京都市の高校に進学してからは、それらが宇治だけの特別なことだと気づきました。今も宇治に帰ってくるたびにほっこりしますし、執筆する時はお茶をがぶ飲みしています」と、地元への思いを語りました。
作品の舞台に宇治を選んだ理由について「自分が好きな場所だから」と語った武田さん。「大吉山も、自分が好きな場所という理由で作品の舞台に選びました。あがた祭りの日に、みんなが大吉山にのぼる日が来るなんて、いまだに信じられません!」と話します。
主人公の楽器をユーフォニアムにした理由について、武田さんは「吹奏楽部に所属していたときユーフォニアムを吹いていましたが、周りの人にユーフォニアムの話をしても、誰もユーフォニアムのことを知りませんでした。『響け!ユーフォニアム』を書く前の会議では、トロンボーンかトランペットを主役にするのが良いのではとアドバイスされたのを覚えています(笑)。ですが、大人になったらユーフォニアムの魅力を広めたいとずっと思っていました。『ユーフォニアムは今や人気楽器のひとつで、吹奏楽部で取り合いになるほど』とファンレターで教えてもらったときは、本当かな?と思いました」と作品の影響力に驚いたそうです。
武田さんのすごいところを編集者目線で教えてほしいという質問に、宇城さんは「キャラクターたちの関係性を、その世代の目線で書いているところ」と話しました。武田さんは「小説を書くときは、キャラクターを軸に考えます。この子の周りにどんなキャラクターがいたら楽しいだろうかと、二人一組で対にして考えることが多いです。キャラクター同士の関係性を重視しています」と話します。
「武田さんの作品は、伏線回収もすごい!」と話す宇城さん。3巻で作品タイトルの伏線が回収されたことに触れると、武田さんは「1巻の段階では、シリーズ作品にする構想はありませんでした。1巻発刊後、京都アニメーションからアニメ化の話があり、急遽3巻まで書くことが決まったんです。3巻でタイトルの伏線回収をしたのは最初から考えていたことではなく、シリーズ化することが決まってから降りてきたアイデアです」と執筆秘話を明かしました。
2023年夏には『特別編 響け!ユーフォニアム~アンサンブルコンテスト~』の劇場アニメ上映が決定しています。武田さんは「短編集として書いた物語が、映像化するとは思っていませんでした。小編成でおこなわれるアンサンブルコンテスト。代表チームを決めるときのエピソードを京都アニメーションがどのように描いてくださるか、とても楽しみです」と期待を寄せました。
現在、宇治市観光大使を務めている武田さん。今後、宇治市での夢を聞かれると「いつかミュージアムができたら嬉しい」と話し「『響け!ユーフォニアム』は、地元の方に大事にしていただいている作品です。これからも変わらず愛してほしいです」と、これまでの応援への感謝とこれからへの思いを語りました。
茶づな館内には、作品の等身大パネルがズラリと並びました。
聖地・宇治でのイベントに、全国各地から『響け!ユーフォニアム』を愛する多くのファンが集いました。イベント会場ではファン同士の交流も生まれ、なごやかな時間が流れていました。
『響け!ユーフォニアム』は、地元に愛され、多くのファンが今も支持する作品です。あたたかな応援が作品を支えていることを実感できるイベントでした。
©武田綾乃・宝島社/『響け!』製作委員会
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