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500年以上前の「源氏物語(写し)」が【京都文化博物館】で見られる!!「光る君へ」マンガ「あさきゆめみし」が100倍面白くなる【紫式部と『源氏物語』】学芸員さんに話を聞いてきたパート1
- 2024/3/16
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- あさきゆめみし, 京都文化博物館, 光る君へ, 紫式部と『源氏物語』
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京都文化博物館にて2024年4月7日(日)までの期間「紫式部と『源氏物語』」が開催されています。
今年の大河ドラマの主人公・紫式部や、「あさきゆめみし」をはじめマンガや小説などを通し世界中で読まれている「源氏物語」にちなんだ貴重な資料や、人物の紹介パネルを見られる展示です。
京都文化博物館の前身は平安博物館といい「源氏物語」をはじめ平安文化の研究を続けてきた博物館。
その京都文化博物館の学芸員を務める橋本さんにお話を伺いながら、500年以上も前に写されたという「源氏物語」青表紙本をはじめ、紫式部と源氏物語にまつわる展示を見学してきました。
そもそも「源氏物語」青表紙本とはなにかというと・・・平安時代末期から鎌倉時代初期に活躍した歌人の藤原定家(1162−1241)が校訂した「源氏物語」の写本に由来するもので、展示されていたのはその中でも現在の山口県を治めた大名・大内政弘(1446−1495)が文明13年(1481)に貴族の飛鳥井雅康に筆者を依頼した大変貴重な資料です。
実は紫式部が書いた「源氏物語」の所在は不明ですが、写しは多数存在します。
その中でも古く、紫式部が書いたオリジナルの「源氏物語」のストーリーが忠実に写されており、残りの良さ(全54刊のうち53刊が残っている)から重要文化財に指定されているのが、「源氏物語」青表紙本なのです。
普段は大切に保管されていますが「紫式部と『源氏物語』」の会期中は直に見ることができます。
重要文化財「源氏物語」青表紙本(公財)古代学協会蔵
500年以上前の書物と聞きボロボロかと思いきや、想像よりもきれい!!
その理由を伺うと「『源氏物語』は貴族しか読めなかった秘伝であり、読みたければ持っている人に頼んで写させてもらう必要があったという貴重な物語だった」「『源氏物語』の写しを持っているのはとても凄いことであり、家宝として大切に保管されてきたため、きれいな状態で残っている」のだそうです。
ではそんな秘伝が、どのように貴族でない人も読めるようになったのか「源氏物語」のターニングポイントとなる資料がこちら。
源氏物語(慶安3年刊)京都府立京都学・歴彩館蔵
「蒔絵師の山本春正が刊行した書物で、江戸時代に入り印刷技術が発達し広く流通したことにあわせて、挿絵が挿入されたことにより一般の人も読めるようになった」のだそうです。
源氏物語(寛文5年写)京都府立京都学・歴彩館蔵
会場には慶文5(1655)年の写しも見ることができ、54冊それぞれに美しい表紙がつけられ源氏物語・紫式部ファンはうっとりしてしまいそうな展示。広く流通が始まった江戸時代においても「源氏物語」が特別な書物として大切にされていたことが感じ取れます。
源氏物語の写し以外にも見どころがたくさんありますが、ひときわ目を引くのが「源氏物語」のワンシーンを画家・梥本一洋が描いた屏風。
梥本一洋「源氏物語」(右隻)昭和24年 京都府蔵(京都文化博物館管理)
源氏物語・第10帖にあたる「賢木」の秋から冬にかけてのワンシーン、恋仲であった光源氏と六条御息所が別れる様子が描かれています。
「光源氏と六条御息所が御簾で隔てられているのは、光源氏の顔を見てしまうと名残惜しく別れられなくなるからと会うのを拒んでいるから」なのだそうで、未練を断ち切るために会わないとは現代人の恋愛にも通ずるところがあり六条御息所に親近感を感じられるような一作です。
梥本一洋「源氏物語」(左隻)昭和24年 京都府蔵(京都文化博物館管理)
光源氏の最大のピンチ、光源氏が京を追われた謹慎生活が描かれた第13帖の「明石」のワンシーンです。
京から須磨へ流される道中、台風にまで見舞われこの先どうなってしまうんだろう・・・という状況の中、明石の入道から宴に誘われ舟で渡る様子が描かれています。
「明石の入道から救いの手を差し伸べられこの先なんとかなるんじゃないかという心情を、行く先(屏風右上)の虹で表現されている。源氏物語には様々な展開があるなかで光源氏の心の揺れがあらわす、この2つのシーンを梥本一洋が選んだのは面白い」と語ってくださいました。
パート2ではこちらの記事では伝えきれなかった「紫式部と『源氏物語』」展の見どころに加え、漫画家でイラストレーターのおなすのことのさんが描いた紫式部の巨大イラストについて解説していきます!
【紫式部と『源氏物語』】
開催場所:京都文化博物館(京都市中京区三条高倉)2階総合展示室「京の至宝と文化」
開催期間:2024年2月10日(土)~4月7日(日)
休館日:月曜日
開室時間:10:00~19:30(入場は19:00まで)
入場料:一般500円、大学生400円、高校生以下無料
※20名以上の団体料金別途設定
※上記料金で総合展示(2階)とフィルムシアター(3階)をご覧いただけます(フィルムシアターは催事により有料の場合があります)
主催:京都府、京都文化博物館
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