2008年に1作目が発売されてから11年、多くのファンに支持され続けている『薄桜鬼』。
京都国際マンガ・アニメフェア(京まふ)2019、1日目の夜。京まふ会場としてもおなじみのロームシアター京都メインホールで、『薄桜鬼』のキャストとオーケストラのコラボレーションコンサートが開催されました。
今回の公演には、土方歳三役の三木眞一郎さんと、雪村千鶴役の桑島法子さんが出演なさいました。キャストの声で彩られた聖地・京都での『薄桜鬼』初の単独オーケストラコンサートの模様をお伝えします。
『薄桜鬼』の世界観に合わせて着物姿でご来場のお客様も多く、会場はとても華やかな雰囲気でした。
開演時刻の18時になると、どこからともなく夏の終わりを知らせるひぐらしの鳴き声が。
「土方さん。箱館での戦いから、ずいぶん経ちました。」と、過去に想いを馳せ、土方にやさしく語りかけるような千鶴の台詞から、コンサートがスタートしました。
『薄桜鬼 真改 風華伝』をベースにした甘く切ない物語。『薄桜鬼』の美しいゲーム画面・スチルがオーケストラの後ろにある大きなスクリーンに投影され、そのシーンに合わせてゲーム内で流れていた音楽が紡がれていく…。繊細な管弦楽の音色は、作品の世界観とぴったり合います。三木さん・桑島さんは、まるで土方と千鶴がその場に立っているかのような和の装いで登場しました。
千鶴の語りと共に、物語が進んでいきます。千鶴と新選組が初めて出会った夜のシーンでは、会場のスクリーンに大きな満月が映し出され、あの夜の千鶴と土方のやりとりがステージ上で演じられました。
新選組の隊士たちと過ごした賑やかな日々、鬼との遭遇、追い詰められ羅刹になっていく苦悩…『薄桜鬼』の名シーンが、土方と千鶴の声で紡がれます。
物語が進むにつれ変わっていく土方と千鶴の関係性に合わせて、三木さん・桑島さんのステージでの立ち位置も変化していきました。出会いのシーンではステージの両端で言葉を紡いでいたお二人でしたが、千鶴を守ると決めた土方は千鶴の方へ近づいていき、お互いの刀を合わせ武士の誓いを立てる金打のシーンでは寄り添うように立つ。そして、新選組が蝦夷行きを決め千鶴に別れを告げるシーンでまた別々の方向に離れていく。臨場感のある音だけではなく、視覚でも物語を存分に体感できるような演出がなされていました。
蝦夷での風間との戦いの際、鬼としての名を授けられるシーンでは、コンサートホールに風間の声が響きました。美しい桜の映像と共に柔らかく優しい演奏が響き、物語は終わりへと近づいていきます。
最後は、ふたたび、ひぐらしの鳴き声をバックに、千鶴の「私が、必ずお伝えします…。新選組は、武士の道標です。」という言葉で公演は締めくくられました。
すべての演奏が終わった後、三木さん、桑島さん、そして『薄桜鬼』シリーズ総合プロデューサーの藤澤経清さんが登場し、この公演への想いを語られました。長く作品を愛してくださるファンの皆様への感謝を述べられた後、ご来場の皆様すべてにお顔が向くように、何度もお辞儀をされていた姿がとても印象的でした。
11年の歴史を記念する聖地・京都での一夜限りのコンサートは、まさに桜のように美しい公演となりました。
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