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【京都ヒストリカ国際映画祭】 東映京都撮影所 高橋様、樋口様インタビュー前編。 時代劇を新しい目線で。次世代と作る時代劇の未来

 

【京都ヒストリカ国際映画祭】関係者インタビュー第1弾前編

京都ヒストリカ国際映画祭 プログラム・ディレクター/ 東映株式会社京都撮影所スタジオ事業部 高橋剣氏 

東映株式会社京都撮影所スタジオ事業部 樋口智則氏

 

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 【立命館大学映像学部×京都ヒストリカ国際映画祭】

立命館大学映像学部ではこれまで、KYOTO CMEXに関する様々なイベントの運営や広報活動に取り組んできましたが、今年は公式サイトで関係者インタビューを行うことになりました!

 

 記念すべき第1弾の今回は、京都ヒストリカ国際映画祭の立ち上げから携わる高橋剣氏と、京都ヒストリカ国際映画祭の人材育成部門である京都フィルムメーカーズラボ「ハンズオン時代劇(時代劇制作ワークショップ)」の昨年度の参加者、東映京都撮影所の樋口智則氏にお話を聞きました。

 

 

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時代劇が生まれる場所、東映京都撮影所で働く人。

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Q お二人の自己紹介も兼ねて日頃のお仕事の事を教えてください。

樋口智則氏(以下、樋口):私どものスタジオ事業部は、基本的に、スタジオレンタルの窓口をしております。スタジオレンタルの他には、時代劇の扮装イベントなどのお手伝いをしていますね。京都ヒストリカ国際映画祭とか、色々なイベントにも協力しております。高橋さん、何か補足ありますかね?

高橋剣氏(以下、高橋):まあ、付け足すとすると、日本の撮影所の中で、東映京都撮影所がその中でも特殊だと思うのは、時代劇の撮影所であり、かつ、ハコ(スタジオ)だけを貸し出すのではないということです。大概のお客様は時代劇を求めて来られるんですけれど、ハコだけじゃなくて、ハコに付随してスタッフや俳優、知識とか、そういったことを求めてこられるんですよね。私たちはそれらをプロダクションサービスっていう風に言っていますけど、そういった製作の全般的なアシストをするのが東映京都撮影所のスタジオ事業だと思っています。

 

 Q 普段のお仕事の中で感じておられることを教えてください。

樋口:若手からの意見ですが、時代劇をたくさん撮っている撮影所なので、ベテランのみなさんは、時代劇のルールとかその時代の中での制約を知った上で動いています。でも、我々若手からすると、そういう制約があるんだってなりますね。例えば、吉原の女郎たちは遊郭から出られないとか、こういった知らないことが多いです。時代劇の知っておかなければならない制約を知らないことが多くて、撮影のたびにそういうことが必要なんだっていうのを気付かされることが多いですね。そういう勉強をしていかないと時代劇って作っていけないんだなっていう難しさを感じています。やりがいとしては、逆に言うと、それだけのプロフェッショナルの方が集まっている“プロフェッショナル集団”なので、そのスタッフの方達に、仲間として接していただけたり、認められたりした瞬間はすごくやりがいを感じますね。

高橋:もうその辺を感じることがだいぶ衰えてきたんですけど、やりがいというところだと、台本を持って映画を作りに来られたお客様をアシストして、喜んでもらえたらというか。監督なり、プロデューサーの方なり、そういった方達が思っていた以上のものを提供できた時は、やっぱり嬉しいなと。今やっている『るろうに剣心』なんかもそうですけど、初号が出来上がって京都に見せてくれた時なんかは、大変僕も興奮しましたし、監督もプロデューサーも大変喜んでくれて。そういう時に、この仕事をやってよかったなと思いますね。

 

 

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京都ヒストリカ国際映画祭のその始まりに立つ人

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Q 京都ヒストリカ国際映画祭に関わるようになったきっかけを教えてください。

高橋:そうですね、始めたのが僕なんですけど、ヒストリカは2009年に始まりました。その頃は本当に時代劇がどん底で、撮影所の経営もだいぶ危うくなっている時でした。そんな時代劇をどうにか復興したいという思いがあって。さっき樋口さんは制約という言葉を使っていましたけど、制約というか呪縛というか…。古い、お涙頂戴みたいな時代劇が持っている呪縛というか固定観念を解き放つために、新しい目線で、アニメやゲームのような違うジャンルや違うメディアを取り入れながら、違う国の文化を背負っている方などから時代劇を見てもらうという、次の映画作りにつながるものとして映画祭をやろうっていうのがスタートしたきっかけですね。

 

Q 京都ヒストリカ国際映画祭を京都という場所で開催することになった経緯や、意義について教えていただけますか?

高橋:京都はやっぱり歴史の町である、と同時に、ゲームや映画などのメディアやコンテンツを生み出す街でもあるんですよね。僕も、ヒストリカを始める前に、京都以外でコンテンツ産業振興みたいなことをやりましたが…大体はウェブサイトやインターネットのサービスが中心になるんですよね。でも京都の場合は、コンテンツ産業振興というものが、産業のバックボーンや京都自体の歴史によって、本物の歴史の流れを汲みながら、未来のコンテンツを生み出すような遥かにリッチなものになっていく。真の歴史映画のお祭りを行う資格がある街っていうのは、世界で見ても本当に数が少なくて…パリとかローマとか、後はロンドンとか。そのぐらいしかないと思います。

 

Q 京都ヒストリカ国際映画祭が始まった当時は「時代劇がどん底だった」とのことですが、当初と比較して感じた変化はありますか?

高橋:始まった当時は、「時代劇」って言うと本当にお涙頂戴もののイメージしかなくて、古臭くてカビ臭くてジメジメして…っていう固定観念がへばりついていたんですけど、今までやってきて、なんとかそういうものはなくなった気がします。『るろうに剣心』、『忍たま乱太郎』みたいに、日本でもそういったイメージを超えた時代劇が出始めたし、世界でも『パイレーツ・オブ・カリビアン』とか、色んな時代劇がありますよね。そういったものを、「時代劇」という風に僕らが言い続けて定義を広げていくことで、「時代劇」の定義の変化が少しずつ広がっていったんじゃないのかな、と感じます。

Q,『京都ヒストリカ国際映画祭』と撮影所の具体的な関わりはありますか?

高橋:映画祭本分との関わりでいうと、ここ数年はあまり持ててないのですが、始めた当初の頃は、撮影所のスタッフ、照明技師、キャメラマンとかいった人たちが、映画の殺陣の部分を語るとか、編集マンがVFXについて語るとかそういった形ですね。例えば、韓国から歴史ものの映画のVFXを担当した方が来られて、その人と撮影所のVFXの担当者がその映画のVFXについて語り合うとか…そういった技術者同士の交流みたいなこともありました。撮影所の試写室で映画祭自体を開催することもあって、お客さんに、撮影所の普段はオープンになってない撮影所の試写室で、映画上映する場所としてお見せすることもありました。近頃は、撮影所の方が忙しく、なかなかそういった語れるスタッフを動員できてないという事情があってそういった企画はできていないのですが、撮影所との連携で大きいところは、そういうところがありますね。

 

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京都ヒストリカ映画祭の人材育成部門「フィルムメーカーラボ」

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Q 映画祭のワークショップなどの関連企画と撮影所はどういった連携や関係がありますか?

高橋:例えば、フィルムメーカーズラボでは「ハンズオン時代劇」という時代劇製作のワークショップをやっていて、これには撮影所のスタッフもサポートとして参加します。ワークショップを卒業した人たちが、また撮影所に映像を撮りに戻ってくることもあって、参加者とスタッフの間で大分深いネットワークが出来ます。その辺、樋口さんいかがでしょう。

樋口:「ハンズオン時代劇」では「場所を貸している」というより、スタッフの方達のノウハウを共有する場として提供しています。「ハンズオン時代劇」の参加者達が短編の時代劇を撮る際に、京都撮影所のスタッフたちが力を貸してくれたり、色々ノウハウを教えてくれたり、という形の連携になっていて、そのノウハウを持って帰ってもらうという形になっています。その後、参加した方がちょっと時を経て、また「ノウハウのある撮影所で仕事をしたい」という風に戻って来てくださるという循環が生まれています。

 

Q 「ハンズオン時代劇」というのはどのようなものですか?

樋口:有志の参加者に松竹撮影所さんと東映撮影所で二チームに分かれて短編時代劇を撮ってもらうワークショップの事です。各撮影所のスタッフと一緒に撮影を行うことで、時代劇の撮影のノウハウを、参加した方達に持って帰ってもらうのが目的です。よね!高橋さん!

高橋:内訳から言うと、「京都ヒストリカ国際映画祭」っていう一枚看板には、五つの事業がぶら下がっています。一つ目は本分である、映画の上映とトークイベントですね。二つ目が「京都フィルムメーカーズラボ」。これは、ワークショップの「ハンズオン時代劇」と座学の「マスターズ・セッション」という二本立てになっています。三つ目が「京都映画企画市」。新しい時代劇の企画をピッチングする、プレゼン大会です。四つ目は「太秦上洛まつり」。これは、新しい歴史コンテンツを映画村の中で遊んでみようというものです。コスプレとか、ゲームのショーケースとか、というイベントですね。五つ目は「HISTORICA×XR」というものです。これはまあ、VRやARといった〈ミックスリアリティ技術+歴史もの〉の観点でやる、技術イベントですね。

 

Q お二人は京都ヒストリカ国際映画祭やフィルムメーカーズラボなどの関連企画ではどのような役割を担当されていますか?

高橋:私がヒストリカを最初に立ち上げたメンバーで、フィルムメーカーズラボも立ち上げから今に至るまでずっと企画運営に携わっています。樋口さんは去年、フィルムメーカーズラボにね、参加してもらったんですよ。

樋口:そうですね、参加させて頂いて…。高橋さんに勧められまして、「ハンズオン時代劇」の参加者側に入りました。東映撮影所で実施するので撮影所と参加者の橋渡しというか、撮影所内での勝手を色々教えながら、自分も参加者側として、普段とは違う部門について一緒に映像を撮らせていただきました。

 

Q 樋口さんが初めて去年フィルムメーカーズラボに参加されたとのことですが、企画に参加されてどのように感じられましたか?

樋口:すごく良い体験だったなぁというのと同時に、日本でフィルムメーカーとして東京とかいろんなところでフリーで働いている方達が、京都のスタッフの方々を、客観的にどのように思っているかがわかりました。撮影所内で働いていると、閉鎖的なというか、同じような方達とばかりの仕事になるので、客観的に撮影所を見られないというか。私はこの撮影所のスタッフしか知らないので、東京のスタッフとかいろんなところからどういう風に東映撮影所がみられているのか全然わからないんですけれども。皆さんうちのノウハウを知りたくて来て下さっているので、、照明スタッフがこれだけ照明待ちにならないように準備をしていて凄いとか、生の声を聞けて、撮影所のスタッフっていうのは本当に誇れる本当にすごい人材達が集まっているんだな、プロフェッショナル集団なんだなっていうのを改めて客観的に認識できたっていうのがすごい自分の中で一番良かったなと感じています。

 

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