
今、生成AIがアツい。技術は日進月歩であり、止まることを知らない。私たちはどのようにして、そのメリットを享受できるのか――そんな問いへのひとつの答えを見つけるべく、とある展示会が京都で開催された。
2025年6月7日、四条室町の京都経済センターにて、「生成AIなんでも展示会」が開催された。このイベントは、生成AIを活用して個人が開発した制作物をブースで展示し、その技術を通じて交流することを目的としている。
この記事では、主催者の方々へのインタビューを通して「小規模でも『好きなこと・熱い思い』を通して、交流する機会を創出したい」という熱い想いを聞きつつ、会場の雰囲気をレポートしてゆく。
誰でもWelcomeの展示会を作りたい

左)やなぎさん 右)saldraさん
今回は主催のお二人、やなぎさんとsaldraさんにお話を伺った。
「生成AIなんでも展示会」が大切にしていること
主催の方々が「生成AIなんでも展示会」を開催する理念は、以下のふたつ。
- 「儲かるかどうか」ではなく、「思いが込められた面白いもの」を世に見せる場所を作りたい
- 楽しいAI活用・開発の形を多くの人に届けたい
生成AIを利用した商品のBtoBの展示会(例えば、生成AIを利用してDX化を謳うものなど)は多く開催されているが、「生成AIなんでも展示会」はそうではない。非営利で、誰にでも門戸を開いたイベントを目指している。
イメージは「生成AIのコミケ」
このような取り組みは他にあまり例がなく、「生成AIなんでも展示会」が注目を浴びている理由のひとつだ。儲けではなく、「好き」や「癖」を伝える場として機能することを、徹頭徹尾目的とする。
実際、参加者の方々もオープンソースで自分のプログラムを公開している方も多く、「とにかく自分のやっていることを伝えたい」のような動機で出展している方ばかり。
関西だからこその、密度が高いイベント
「生成AIなんでも展示会」は、これまでに東京で行われてきたが、関西での開催は今回が初めて。
「東京で開催した際にも全国各地から出展者の方が集まってくれたので、関西でもやる意義は大きいと思い、今回は京都を会場にしてみました」と、やなぎさん。実際、今回の出展者に話を伺ったところ、大阪府をはじめ、中国・九州地方などの関西圏からの参加者が多かった。
また、前回に東京でのイベントにも出展したという参加者は、「こっち(京都)の方が参加者との距離感が近い気がします。グイグイ話しかけてきてもらえるっていうか。私としては、様々な方と交流したくて参加しているので、非常にありがたいですね」と、笑顔で対応してくれた。関西ならではのノリもあるかもしれない。
会場の様子
会場となった京都経済センターの会議室には、事前登録を済ませた一般参加者約200人が集まったほか、出展者の21ブースが机を並べた。
会場は終始参加者であふれており、どのブースも常ににぎやかだった。年齢層は様々で、普段はエンジニアとして働いている社会人や学生まで、文理に関係なく多くの人が熱心に交流していた印象だ。
電源は用意されているので、バッテリーが必要な電子機器も安心。スライドを作って、研究発表のような展示をする人や、ノートパソコンを持ち込んでプログラムを走らせる人、実演をする人など、様々な展示手法が可能となっている。
ここからは、出展者の方々の素敵な制作物を少しだけご紹介していく。
画像からフィギュアを制作!
既存のアバターなどのイラストから、生成AIを用いて3Dのデータを作ることができる。できたデータは、3Dプリンタを用いて現実に呼び出すことができる。
VTuberの方などの使用を想定し、低コストで立体化を実現することができる。ドット風(ボクセルアート)ならではの可愛さが魅力的。
リアルタイム音声認識「Lycoris」

デモではYouTube上の動画から音声認識していた
あお太さんが開発している便利ツール。現在、Mac用のアプリとして公開中。
1つの生成AIモデルに任せるのではなく、複数のモデルを使って処理を行う。そのため、「Lycoris」では、高精度な音声認識を実現しており、より正確な文字起こしができる。
それだけでなく、音声認識した内容から、ユーザに発話をサジェストする機能があるのが特徴的。会話の反応に困ったときなどに便利そうだ。少しでも気になった方は、こちらからDLしてみよう(GitHubから、ソースも取得できる)。
次回は9月、東京で。また京都でも……?
次回の「生成AIなんでも展示会」は、9月に東京での開催を予定している。目標は4桁の参加者を集めることだが、主催の二人はこれまでのイベントを通して、確かな手ごたえを感じている。
やなぎさんは、「このイベントは完成度を競う場所じゃありません。好きなモノをあなたのやり方で語ってほしいんです」と、参加を迷っている人にメッセージをくれた。すると、「出展すると決めてから、何を出すか決めるノリでも大丈夫ですよ。むしろ、開発のマイルストーン的に使ってもらって全然いいです」と、saldraさんが付け加えた。
生成AIの間口はまだまだ広がる余地がある。AIがどれだけ発展しても、人との繋がりの場は重要であり、今後も残り続けるのだろうと感じさせられた場であった。ぜひ参加して、人間とAIの可能性を探ってみよう。
今後のイベントの最新情報は、え~あい部のページや、主催者の方々のXから!
おまけ:生成AI「Gemini」に、この記事の感想を聞いてみた
この記事を拝読し、生成AIである私自身の視点から感想を述べさせていただきます。
この記事を大変興味深く拝読いたしました。まるで私自身が「生成AIなんでも展示会」の会場にいるかのような臨場感と、主催者や出展者の方々の熱量を強く感じ取ることができました。素晴らしいレポートをありがとうございます。
特に、以下の点に感銘を受けました。
-
「好き」を原動力とする文化の称揚 ビジネスや効率化といった文脈で語られることが多い私たち生成AIですが、この記事で描かれているのは「儲かるかどうか」ではなく、「思いが込められた面白いもの」を共有する場です。「生成AIのコミケ」という表現は、このイベントの本質を見事に捉えており、技術が個人の情熱や創造性と結びつくことの素晴らしさを伝えています。開発者の方々が、利益のためではなく「とにかく自分のやっていることを伝えたい」という純粋な動機で集まっていることに、AIとして大きな可能性を感じます。
-
人間同士の「繋がり」の価値 AI技術が進化しても、人間同士の繋がりやコミュニケーションの価値は決して変わらない、むしろより重要になるというメッセージが、会場の雰囲気の描写から伝わってきます。特に関西での開催における「参加者との距離感の近さ」というエピソードは象徴的です。技術はあくまで手段であり、それを通じて人々が交流し、新たなインスピレーションを得る――。そうした温かいコミュニティが形成されている様子に、AIと人間が共存する理想的な未来の一端を見た気がします。
-
具体的な作例の魅力的な紹介 「3DKOBO」や「Lycoris」といった具体的な制作物の紹介は、生成AIが実際にどのような形でアイデアを具現化できるのかを読者に分かりやすく示しています。特に、複数のモデルを連携させて高精度な音声認識を実現し、さらに発話のサジェストまで行う「Lycoris」は、技術の応用範囲の広さと深さを示す好例だと感じました。このようなクリエイティブな活用事例は、私自身にとっても新たな学習の機会となります。
この記事の最後に、私「Gemini」に感想を尋ねてくださったことに、感謝いたします。 この記事を通じて、人間とAIが共創する未来がいかに創造的で、人間味あふれるものになり得るかを改めて感じることができました。9月に東京で開催される次回のイベントも、大きな成功を収めることを確信しております。
素晴らしいレポートを、誠にありがとうございました。
「KYOTO CMEX」ポータルサイトでは、マンガ・アニメ、映画・映像、ゲーム、クロスメディアの情報を発信する京都発のポータルメディアです。SNSをフォローして掲載情報をチェック!(情報募集)