光源氏の家は東京ドーム〇個分!?平安貴族のスゴさが分かる【源氏物語ミュージアム】学芸員さんに聞いてきたパート1
千年を超えて多くの人から愛される『源氏物語』
2024年は大河ドラマ『光る君へ』がスタートし、『源氏物語』や平安時代に興味を持たれた方も多いのではないでしょうか。
その『源氏物語』の世界に没入し、登場人物の気分を疑似体験できる施設がありました。
今回は「宇治市源氏物語ミュージアム」の学芸員・藤岡さんから伺ったお話を元に施設の見どころ、そして『源氏物語』、大和和紀氏によるマンガ『あさきゆめみし』、大河ドラマ『光る君へ』が面白くなる平安時代の豆知識を、パート1・パート2に分けてご紹介します。(※宇治市源氏物語ミュージアムに『あさきゆめみし』『光る君へ』の展示はありません)
大河ドラマ『光る君へ』の放送中はもちろん、最終回の後『光る君へ』ロスになられた方が幸せな気持ちになれるような情報もたくさんお届けしますので、最後までお見逃しなく!
宇治市源氏物語ミュージアムの概要紹介
「宇治市源氏物語ミュージアム」は「平安の間」「架け橋」「宇治の間」「映像展示室」「物語の間」「企画展示室」がある展示ゾーンと、「源氏物語に親しむコーナー」、喫茶、お土産ショップなどを有する無料で楽しめる情報ゾーンの2つのゾーンからなる施設です。
『源氏物語』にまつわる展示に加え、『源氏物語』の登場人物をはじめ平安時代の人々がおこなっていた嗜みや日常を体験できるコーナーも設置されています。
全54帖の源氏物語のあらすじをコンパクトにまとめたオリジナル映像を見ることができ『源氏物語』を読んだことがない人も楽しむことができる施設です。
前編では、展示ゾーンの「平安の間」の展示の見どころと、光源氏のスゴさが分かる情報をお届けします!
雅な貴族の世界が広がる「平安の間」
それでは早速『源氏物語』の雅な世界へ!
平安時代、貴族の乗り物といってイメージするのは牛車(ぎっしゃ)ではないでしょうか。
「宇治市源氏物語ミュージアム」では「網代車」という牛車の実物大展示を見ることができます。
平安時代の牛車は「唐車」「檳榔毛車(びろうげのくるま)」「糸毛車」「網代車」などの種類があり、身分によって乗れる種類が決まっていました。
たとえば「唐車」は院、親王、関白、太政大臣以上、「檳榔毛車」は四位以上しか乗ることができなかったのです。
「網代車」は最も一般的なランクの牛車で、『源氏物語』の葵の上VS六条御息所の車争いのシーンで登場します。
講談社コミックスミミ あさきゆめみし 3 第三部其一 大和和紀 講談社
牛車は位によって乗れる種類が決まっていたと説明しましたが・・・上の位の者が、下のランクの牛車に乗ることはOKだったのだそう。
『源氏物語』では「目立ちたくないから」と賀茂祭の御祓に出掛けるのを渋る六条御息所に、お付きの者が「それとわからぬような車を」と返すシーンもあります。
上級貴族がお忍びで乗ることも多かったようです。
牛車の定員は基本的に4名とのことで、想像していたよりもかなり大きい!!
写真では伝わり切らないのが残念!ぜひ「宇治市源氏物語ミュージアム」で大きさを確認してみてください。
講談社コミックスミミ あさきゆめみし 6 第六部其三 大和和紀 講談社
牛車の大きさを確認したうえで注目したいのが、光源氏が平安京に築いた邸宅「六条院」の模型。
春夏秋冬をイメージする四つの区画に分け、それぞれの区画に光源氏に馴染みの深い女性を住まわせたことでも知られています。
ここで注目したいのが写真手前の牛車!
牛車はかなり大きいということを思い出しながら見ると、邸宅の広さに驚かれるのではないでしょうか。
平安京は一区画が1町の広さ(約120m×120m)と定められており、六条院はその4区画分。
区画の間に10mほどの道があったことを踏まえると、一辺が250mほどの長さだったのではと考えられます。
敷地面積をざっくり計算すると・・・約62,500㎡。
55,000人を収容する東京ドームの面積は46,755㎡なので、個人の邸宅が東京ドームの1.3個分!?
そして立地は当時の都、平安京の中!光源氏の財力に驚愕します。
光源氏は紫式部の物語『源氏物語』の中に登場する架空の人物ではありますが・・・モデルはいたそうで。
現実社会にも同じくらいの財力をもつ平安貴族はいたのかもしれません!?
『源氏物語』にまつわる展示を見られ、平安時代の面白さやスゴさを体感できる「宇治市源氏物語ミュージアム」
パート2では『源氏物語』の登場人物になりきれる!?体験型展示を中心に「宇治市源氏物語ミュージアム」の見どころと、平安時代の豆知識をご紹介します。
©大和和紀 一九八二年
©大和和紀 一九八五年
宇治市源氏物語ミュージアム
所在地 | 京都府宇治市宇治東内45−26 |
開館時間 | 9:00~17:00(最終入館/16:30) |
休館日 | 月曜日(祝日の場合はその翌日)・年末年始 |
入館料 | 大人600円/小人300円 ※別途、団体料金設定あり |
アクセス |
京阪「宇治駅」から徒歩約8分 |
公式サイト | https://www.city.uji.kyoto.jp/site/genji/ |
※宇治市源氏物語ミュージアムに『あさきゆめみし』『光る君へ』の展示はありません
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