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作品や資料を未来へつなぐ。――京都国際マンガミュージアム「のこす!いかす!!マンガ・アニメ・ゲーム展」 企画展示レポート
![](https://cmex.kyoto/wp-content/uploads/2025/01/mmssm-1024x576.png)
2024年11月23日(土)から、2025年3月31日(月)までの間、京都国際マンガミュージアムでは、「のこす!いかす!!マンガ・アニメ・ゲーム展」が開催されている。
会場には、古いマンガの資料やアニメの複製原画、そしてアーケードゲームの筐体が展示されており、非常に見ごたえのある企画展となっている。
この記事では、写真とともに会場の雰囲気と、興味深い展示の内容をダイジェストでお伝えしていく。
京都国際マンガミュージアムとは
新しい時代の文化施設
京都国際マンガミュージアムでは、京都市と京都精華大学の共同事業として、マンガをはじめとした膨大な資料の収集と研究、そして展示を行っている。
マンガといえば、最近のコミックブックをイメージしがちだが、それだけでない。ミュージアムでは、江戸時代の浮世絵や戦前の作品、そしてマンガ周辺の様々なモノを、有形・無形にかかわらず収集している。
また、ミュージアムの特徴として、実際にマンガを手に取って読むことができる。これらの多くは寄贈によって成り立っており、日本のみならず海外からもたくさんの来館者が訪れている。
建物は元小学校を活用
ミュージアムの建物は、昭和時代に建設された龍池小学校の校舎を活用したものとなっている。
壁一面にマンガが所せましと並べられた「マンガの壁」だけでなく、小学校の佇まいが残されているのも、文化的に貴重なものとなっている。
作品とその周辺を「のこす」難しさ
企画展では、様々な一次資料や貴重な原画、そして解説のパネル展示などを交えながら、マンガ・アニメ・ゲームを「のこす」・「いかす」とは何かということについて考えていく。
ゲーム機の筐体もそのまま展示
マンガやアニメはもちろん、ゲームの保存は特に難しいそうだ。
特に今回取り扱っているレトロ系のゲームは、現在のようなダウンロードだけで完結するものではないので、筐体を保存する必要があり、さらにメンテナンスも必要となる。
パネル展示の解説も充実
会場には、実際の資料のほかに、パネルでの解説もされている。
ここでは、ミュージアムの「のこす・いかす」の取り組みの紹介に加えて、マンガやアニメの制作過程なども詳細に記載されていて、学びを得られる内容となっている。
最近では、滅多に利用されることがなかったトレスマシンも展示されている。アニメの制作過程に興味がある方も、ぜひ足を運んでみてほしい。
あなたなりの答えを見つけて
マンガ・アニメ・ゲームの保存と活用に、「正解」はない。
展覧会を担当したキュレーターの方々もその在り方を模索しつつ、今回の企画展をひとつのゴールとした。しかし、「まだまだできることがあるのではないか」と、少し悔しそうな表情を見せた。この企画展を通して、参加者一人一人がメディアの保存や活用について、考えてみてほしい。
「作家の方々が持っている資料やノートはもちろん、読者が持っている単行本や同人誌、またその周辺のグッズなども、貴重な資料となり得るということを感じ取ってほしい」と、担当者は語った。
企画展の最後には、参加者の考えを自由に記入できるコーナーが設けられているので、ぜひそこにコメントを残していってほしいとのこと。
〈マンガ・アニメ・ゲーム〉と〈展示〉が出会う「クロスメディア」
展示もひとつのメディア
ところで、今ご覧になっているWebサイトである「KYOTO CMEX」だが、CMEXとはどういった意味かご存じだろうか?
実は、CMEXとは、「Cross Media EXperience」の略となっている。マンガやアニメなど、様々なコンテンツを融合させることで、より魅力的な体験を創り出していきたいといった意味が込められている。近年では、同じような意味で「メディアミックス」という言葉もよく用いられるようになった。
今回の企画展「のこす!いかす!!マンガ・アニメ・ゲーム展」も、まさにクロスメディアの取り組みだ、と担当者は言う。つまり、展示という、不特定多数の人々が作品に触れられる媒体とミックスすることで、よりマンガ・アニメ・ゲームの魅力が高まるということである。
マンガミュージアムの企画展ならではのこだわり
![](https://cmex.kyoto/wp-content/uploads/2025/01/MG_4611-1024x683.jpg)
ゲーム機の裏側ってどうなってるんだろう? ちょっとした興味でも、それ以上のことを知ることができる。
特定の作品を取り上げる展覧会と違って、今回の企画展は、様々な人にとって楽しい展示になるように工夫がされている。
マンガミュージアムはその特性上、家族と来たり、友達と来たりと、必ずしもマンガに興味がある人が来るわけではないそうだ。そういった人たちでも興味を持ってもらい、作品を「のこす・いかす」ことについて考えてもらえるような展示内容となっている。
例えば、ゲームの展示室では、実際に「スペースインベーダー」がプレイ可能な状態で展示されている。言葉や年齢の壁を超えて、コントローラーひとつでその楽しさを理解できるのも、この企画展の魅力と言えるだろう。
![](https://cmex.kyoto/wp-content/uploads/2025/01/mainvi.jpg)
©すがやみつる/小学館
© TAITO CORPORATION
©すがやみつる/シンエイ
本企画展は、2025年3月31日(月)までの期間限定での開催となっている。開催期間には気をつけて、ぜひマンガミュージアムに出かけてみてはいかがだろうか?
会場: 京都国際マンガミュージアム2階ギャラリー1、2、3
料金: 無料 ※ミュージアムへの入場料は別途必要
企画展HP: https://kyotomm.jp/ee/manga-anime-game/
京都国際マンガミュージアム
〒604-0846
京都市中京区烏丸通御池上ル (元龍池小学校)
TEL: 075-254-7414
FAX: 075-254-7424
開館時間
10:00~17:00(最終入館時刻: 16:30)
入館料
休館日
毎週水曜日(休祝日の場合は翌日)、年末年始、メンテナンス期間
※休館日、開館時間は予告なく変更する場合がございますので、予めお問合せください。
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