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京都開催「ヤマザキマリの世界」をレポート!『テルマエ・ロマエ』を経て辿り着いた先は?

『テルマエ・ロマエ』の作者であり、ミラノ・コルティナ2026オリンピックの名解説で話題を集めたヤマザキマリさん。

画家を志した後に漫画家となり、再び油絵へ――その歩みをたどる企画展「ヤマザキマリの世界」が、美術館「えき」KYOTOで開催されています。

内覧会に来場されたご本人の言葉をもとに、「ヤマザキマリの世界」の見どころに迫りました。

 

「私は人より時間がかかるタイプ」ヤマザキマリさんのマンガの描き方

15世紀の北方ルネサンス様式の肖像画を描く画家から、漫画家へ転身したヤマザキマリさん。

当時を「絵では食べていけないと悟り、子どもを産むことをきっかけに画家への道を一度挫折した」と話し、その後も順風満帆とはいかず少女漫画を描く際には「8頭身に」や「手足を長く」といった編集者からのオーダーに応えながら、試行錯誤を重ねたと振り返ります。

苦難の時期を経て「自分の描きたい絵と世界観で自由に描こう」と取り組んだ作品が『テルマエ・ロマエ』。

企画展のはじまり「漫画家の世界」では『テルマエ・ロマエ』の原型となる『VICTORIA』をはじめ、漫画の原画やネームが展示されています。

「文章にしないとイメージが湧かず、自分は人より描くのに時間を掛けているのかもしれない」と語るヤマザキマリ流の漫画制作。

文章化からコマ割り、ネームの前のネーム、編集者に見てもらうためのネーム、下絵、ペン入れに至る6段階を踏んで、完成させるそうです。

会場には編集者に見てもらうためのネーム、下絵、ペン入れが展示されています。

『テルマエ・ロマエ』の完成版にだんだんと近づいていく過程を見られるのはもちろんですが、この前にも文章化やコマ割り、ネームの前のネームという工程が踏まれていることを知ると、途方もない労力を掛けて1ページが完成するという事実に気付かされます。

 

ヤマザキマリさんの原点を物語る、幼少期の“絵”と“手書き絵本”

「画家・漫画家になるまで」では、ヤマザキマリさんが幼少期に描いた作品が展示されています。

「漫画家はずっと机に向かっていなければならず、肩も凝るし猫背になるし、いつも満身創痍。でもデビューから30年も描き続けられているということは、自分に合っていると思う」とヤマザキマリさん。

絵の上手さだけでなく、幼少期から“手書き絵本”を作成していたという部分も注目ポイントです。

 

会場をさらに進むと広がるのが「画家の世界 イラストレーション」。

仕方ないね!!孫の代まではアタシの責任だ!!

食事と風呂は人生における二大至福要素だ。

などヤマザキマリさんらしさを存分に感じられる名言、そして本や雑誌のために描かれたイラストと出合えます。

ユーモアとともに心の芯に響く言葉は、漫画家・画家・著述家としての幅の広さを物語るよう。

その先には、企画展を締めくくる「画家の世界 油彩」が続きます。

 

漫画家・著述家を経て、再び辿り着いた“油絵”

漫画家・評論家として歩み続けた後に舞い込んだ、山下達郎さんからの「自分の肖像画を描いてほしい」というオファー。

「画家の世界 油彩」では山下達郎さんの肖像画をはじめ、ヤマザキマリさんの原点ともいえる油絵作品が並びます。

2025年以降に描かれた最新作も展示されており、中にはドラえもん誕生日&マンガ連載55周年記念トリビュート企画のために描かれた、ヤマザキマリさんらしさを感じられる作品もあるので、ぜひ会場で対面を。

「食事にもトイレにも行かずに、15時間くらい描き続けられる」と語るほど、ヤマザキマリさんにとって特別な存在である油絵。

本展では「半世紀たって、グルッと回り、また油絵に戻ってきた」という言葉通り、挫折がきっかけで漫画家という道に進み『テルマエロマエ』という作品を生んだ後、再び原点である油絵の世界を歩んでいく――そんなドラマティックな軌跡を追体験することができます。

企画展自体がまるで物語のようで、訪れた人に希望を与えるエールのようにも感じられました。

最後に気になるのが、今後「ヤマザキマリさんは漫画を描くのか」というところですが、手をつけている作品があるとのこと。

今後も、漫画家・ヤマザキマリの世界に浸ることができそうです。

 

 

ヤマザキマリの世界展

■会期:2026年2月21日(土)~3月30日(月)

■開館時間:10:00~19:30(入館締切/19:00)

■入館料(税込):一般 1,100円、高・大学生 900円、小・中学生 500円

※高・大学生の方は学生証をご提示ください。

■開催場所:美術館「えき」KYOTO

公式サイトはこちら

※本記事の写真は内覧会で撮影したもので、通常時は撮影できないエリアがあります

 

ライター

角野好代

ライター

京都を愛する、フリーライター。
好きなアニメ・マンガ作品は「鬼滅の刃」。煉獄杏寿郎の熱い言葉に励まされながら、日々執筆しております。伝統工芸や歴史に関心があり、2025年に京都・観光文化検定3級を取得。取材では深掘りし、読んでいただいた方の毎日がちょっと楽しくなるような、ほっこり情報をお届けします。

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