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【京都ヒストリカ国際映画祭】 株式会社松竹撮影所・京都製作部 京都製作室長の井汲泰之様 インタビュー前編 時代劇に対する思い

 

【京都ヒストリカ国際映画祭】関係者インタビュー第4弾

 

京都ヒストリカ国際映画祭 / 株式会社松竹撮影所京都制作部 井汲泰之氏

 

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【立命館大学映像学部×京都ヒストリカ国際映画祭】

立命館大学映像学部ではこれまで、KYOTO CMEXに関する様々なイベントの運営や広報活動に取り組んできましたが、今年は公式サイトで関係者インタビューを行うことになりました!

 

最終となる第4弾は、株式会社松竹撮影所京都制作部で室長をされており、京都ヒストリカ国際映画祭のみならず、京都フィルムメーカーズラボなど様々なイベントに携わられている井汲泰之氏にお話を聞きました。

 

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時代劇を世界に届ける、松竹撮影所

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Q. 最初に、松竹撮影所での業務内容について教えて頂きたいです。

 

主に、撮影が円滑に進むように、予算管理などをしています。作品制作は、まず、企画承認、台本作成、キャスティング、スタッフィング、予算設定等があって、キャストや監督のスケジュールによる時期の決めがあって、撮影、仕上げ、納品、というところまでが一連の流れになっています。その中において、撮影所で受ける工程に関してラインプロデューサーと協力の上予算管理を担当しています。

 

Q. 携わってきた作品の中で、印象に残っているものと、なぜ印象に残ったのかについて教えていただきたいです。

 

種類も数も膨大ですが、一つ挙げるとするなら、私が撮影所に入って三年目か四年目に担当した作品である、山田洋次監督の『たそがれ清兵衛』ですかね。その際、今まで一緒に仕事してきたメンバーだけじゃなくて、山田監督のスタッフ、いわゆる「山田組」の皆さんと、かつてあった「大映撮影所」に所属していた「映像京都」というメンバーの皆さんと、三つ巴で撮影をしました。この件で初めて大規模映画を担当させて頂いたのですが、映画の教科書があれば載るような、伝説級のスタッフの皆さんと仕事が出来た事は、非常に印象に残っています。

 

Q. 現在のお仕事に就こうと思った理由について教えていただきたいです。

 

子供の頃からテレビが好きだったり、親が映画好きだったりしたので、映画を観る機会が自然と多くなったのですが、その内に、「科学者になりたいなー」とか、「医者になりたいなー」とか、「宇宙に行きたいなー」とか、色んな夢を持つようになりました。ある時、「これって観た映画とかテレビに影響されているのではないかな」と思い至ったのです。そこから、「もし映画の世界に行けたら、色んな経験ができて楽しそうじゃないか」と思いました。総括すると、「子供の頃見ていた沢山の夢が叶うような体験を、映画を観た人に届けられる仕事なんじゃないか」と思ったことが理由です。

 

Q. 数ある撮影所の中で松竹撮影所という場所を選ばれた理由について教えていただきたいです。

『KYOTO映画塾』(編注:2000年閉鎖)っていう、松竹京都映画の中に専門学校がありました。卒塾後そのまま松竹撮影所に行った感じです。これがもし東映さんだったら東映さんに行っていた可能性もあったのかな、と思っています。

 

Q. 現在のお仕事をされている中で、やりがいを感じたことや困難だなと感じたことはありますか?

 

作品を成立させようとして自分が提案したことが、映画の実現に対してプラスに働いた時に、喜びややりがいを感じているように思います。監督のアイデアを全て実現できればいいのですが、予算などの都合上、そういう作品ばかりではないので…。どうすれば実現できるかを、撮影所側として、様々な人の意見を聞きながら、模索していくと。一方で、「キャメラはこう撮りたい」や、「こういうCG使いたい」という要望を、実現可能な方向に提案したり、交渉したりする事も非常に難しいなあ、とも感じています。

 

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時代劇の再活性化

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Q. 京都ヒストリカ国際映画祭ではどのような役割を担当されていますか?

 

ヒストリカ映画祭でも、年々私の担当というか役割は変わっていくのですが…。現在のところは、作品の選定などからは外れて、今のヒストリカ映画祭で上映されるような作品を作っている撮影所の同僚たちと、「今年の映画祭はどういう風にしていこうか」と相談したりしています。映画祭を見に来ていただくお客さん達に、我々製作者が普段どういうことをしているのか、ということを知っていただくことや、他社フィルムメーカーのみなさんと、撮影所のメンバーをどうやって繋げられるかな、っていうことを考えています。

 

Q. 京都ヒストリカ国際映画祭へ参加するきっかけは何でしょうか。

 

近年、時代劇が減少傾向にあるということが言われております。かつては、東映の京都撮影所にしても、松竹撮影所にしても、連続(編注:連続ドラマ)の時代劇を沢山作っていたわけです。仕事がどんどんなくなっていく中で、「今までどおりやっているとまずいよね…」とか、「従来の時代劇には魅力がないのかしら?」と考えてしまったり…。現実問題として、仲間が飯を食えない状況になったりするので、危機感がかなりありました。そんな中で、京都府さんが、東映さんや松竹に対して「産業としてやっていくにはどうすればいいか、一緒に考えましょう」と言ってくださって。実は東映と松竹って、昔は嵐電の通る三条通りを挟んで、非常に激しいライバル関係にありました。お互いに、『道路向こう、線路向こう』と呼んでいたと聞いているのですが。それが「共になんかできないか」ということで、手を取り合うことになり。京都府さんの声かけをきっかけに、新たな視点と仲間達を探して、新しい仕事を作っていければ、と考えて参加させて頂いております。

 

Q. 昨年の京都ヒストリカ国際映画祭は、現地と配信のハイブリッド型で開催されていました。そこで感じたメリット、ないしはデメリットがあれば教えていただきたいです。

 

ハイブリッドのメリットは、配信という形で、より多くの方に我々が提供したいものをお届けできる点でしょうか。デメリットは、配信での参加者に実際に京都の町を体験して頂けない事でしょう。それはちょうど、映画館で人々が同じ空間を共有して、同じものを観て、それぞれが持った感想を共有する、という体験が今難しくなっているのと共通するかもしれません。

 

 

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