京都発:マンガ・アニメ、映画・映像、ゲーム、クロスメディア、メタバースのポータルメディア

京都創造ゲームジャムに行ってきた! 熱き創造の結晶、全3作品を紹介! 〜学生ライター 山口輝の体験記(3)〜

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
京都創造ゲームジャムのイメージ画像

いよいよ第3回目の記事です!最終回となる今回は、京都創造ゲームジャムで開発されたゲームの数々を詳しくご紹介していきます。

このイベントは、社会課題の解決をテーマにしたゲームを短期間で開発するというユニークな試みです。多様なバックグラウンドを持つ参加者たちがチームを組み、限られた時間の中でアイデアを形にしていく過程は、まさに圧巻です。

これまでの記事では、第1回でイベント全体の雰囲気や概要を、第2回では運営に携わった石川さんへのインタビューをお届けしました。

 

そして今回はいよいよ、開発されたゲームにフォーカス! ゲームジャム会場で参加チームにインタビューさせていただきました。時間の関係もあり、3チームだけとお話したのですが、翌日の受賞結果を見てびっくり、なんと3チームが全て受賞! 短期間で開発されたにもかかわらず、非常にクオリティの高いアイデアを有する作品ばかりです。ゲームジャム参加を検討されている方は、ぜひ参考にしてみてください。

 

ゲームタイトル「INFOCALYPSE」

選択テーマ「フェイクニュースとメディアリテラシー」

獲得された賞:最優秀賞

Team INFOPOLICE

 

栄えある最優秀賞に輝いたのは「INFOCALYPSE」!

情報が氾濫する世界を表現した”Information”と”Apocalypse”を組み合わせた造語で名付けられました。

ゲーム「INFOCALYPSE」のタイトル画面

このゲームは、SNSの投稿を読み解き、真実にたどり着く情報リテラシーが試されます。

投稿の中には、巧妙に紛れ込んだ嘘や無関係な情報が含まれており、プレイヤーは「印象」や「意見」に惑わされずに、真実の文節のみが残るまで銃で撃って文章を削る必要があります。

 

開発者の一言コメント

:「フェイクニュースをわざと作って、事実関係の確認が必要なものも出します。このイベントに望むこととしたら、中間のフィードバックのようなものが欲しいと感じました。」

 

シンプルなゲーム性ながら、嘘を嘘と見抜く力を試される、現代人にぴったりのゲーム。ゲームとして楽しみながら、SNSの投稿に初めて触れる人にとっての教材にもなり得る、一石二鳥のゲームと言えるでしょう。

 

 

ゲームタイトル「TELE」

選択テーマ「フェイクニュースとメディアリテラシー」

獲得された賞:優秀賞

Team TELE

 

優秀賞を受賞したのは「TELE」! 喋るの”Tell”と、カメラの”Tele”というダブルミーニングをかけて名付けられました。

ゲーム「TELE」のタイトル画面

 

バーチャル空間上にアバターが存在しています。

ゲーム「TELE」のプレイ画面(1)

 

そして、アバターを一人選び、タッチすると、画面には現実世界の「ある部屋」が投影されます。カーソルを手探りで動かすと、家具や壁などにぶつかった際に様々な日常生活の効果音が響く仕組み。これらの音を頼りに周囲の状況を把握し、探索を進めていくゲームです。

ゲーム「TELE」のプレイ画面(2)

 

1人のアバターをクリアするごとに、新たなアバターがバーチャル空間上に出現します。

ゲーム「TELE」のプレイ画面(3)

 

開発者の一言コメント

:「ディスプレイ越しに存在しているプレイヤーを知ることをテーマにしています。最初の2日までは意見を纏める期間に充てました。コミュニケーションの面で、特にチームメンバー間で認識を共有するのが難しく、ゲームの方向性を決めるのに苦労しました。」

 

このゲームは、SNSを通して繋がる、ディスプレイ上の友人たちの姿を、現実世界に投影することで、彼らの状況や心情を想像させる、独特な体験を提供します。普段はディスプレイの中だけの存在である彼らが、実は現実世界で生活を送っているという事実を、音を通して体感することで、よりリアルな存在として認識することができるでしょう。インターネット上での誹謗中傷などの問題が深刻化する現代において、画面の向こう側にいる相手を「人」として意識し、思いやりを育むきっかけとなるかもしれません。

 

 

ゲームタイトル「ローストチキン」

選択テーマ「フェイクニュースとメディアリテラシー」

獲得された賞:フェイクニュースとメディアリテラシー賞

Team ローストチキン

 

フェイクニュースとメディアリテラシー賞を受賞したのは「ローストチキン」!タイトルは某SNSの旧名に由来するそうです。青い鳥、、、なるほど。

ゲーム「ローストチキン」の製作中の画面

※製作中の画面

この「ローストチキン」は、プレイヤーがSNSの運営者となり、ニュースやトピックを投稿してプラットフォームを盛り上げ、情報がどのように消費され、受け取られるのかをシミュレーションできるゲームです。

 

開発者の一言コメント

:「プレイヤー側がアルゴリズム自身になることで、実はSNSのユーザーが信頼ある生データに触れることは難しい事なのではないか、ということを認識してもらう狙いがあります。似たようなシステムのゲームがほとんど存在しなかったので、実際の開発が最も苦労しました。」

 

ライバルSNSとの競争といった要素はなく、情報発信者側の視点を通して、ニュースの拡散や受け手の反応を疑似体験することで、フェイクニュース問題への理解を深めることができます。これまで受動的に受け取っていた情報に対しても、新たな視点を持ち、より深く考えるきっかけとなるでしょう。

 

 

どのゲームも非常に個性的で、それぞれ異なるアプローチでメディアリテラシーなどの社会問題に取り組んでいました。

「INFOCALYPSE」は、情報に含まれる印象や意見といった要素を削り取っていくという直感的なゲーム性を通して、フェイクニュースの見抜き方を楽しく学べる作品に仕上がっていました。

また、「TELE」は、暗い部屋の中で響く物音を通して他者の存在を想像させるという斬新な手法で、オンラインにおけるコミュニケーションのあり方について考えさせられます。

そして、「ローストチキン」は、情報発信者側の視点を取り入れることで、如何に情報にユーザーが飛びつきやすいのかを気付くきっかけを与えてくれる作品でした。

どの作品も、ゲーム性、テーマ性、そして社会的な意義が見事に融合しており、短期間でこれだけの完成度を持つゲームを作り上げた開発者たちの熱意と努力に深く感銘を受けました。

イベントを通じて、参加者たちは短期間で試行錯誤しながらも素晴らしい作品を生み出しました。活気に満ちたイベントの雰囲気、そしてクリエイターたちの熱意と手際の良さは、取材を通して私自身にも大きな刺激となりました。

 

皆さんも、ぜひ一度参加してみてはいかがでしょうか。

 

詳しいイベント情報はホームページをご確認ください!

第一弾の記事はこちらです。

 

第二弾の記事はこちらです。

 

京都創造ゲームジャム 

https://kyotogamejam.com/

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

大阪成蹊大学DS・国際観光学部学生チーム

投稿者プロフィール

今年から初お披露目になります!大阪成蹊大学のデータサイエンス学部・国際観光学部の合同学生チームです。どちらの学部も最近開設されたばかりでフレッシュなメンバーが揃ってます。

観光やデータの視点から、KYOTO CMEXを取材していきます!

この著者の最新の記事

「KYOTO CMEX」ポータルサイトでは、マンガ・アニメ、映画・映像、ゲーム、クロスメディアの情報を発信する京都発のポータルメディアです。SNSをフォローして掲載情報をチェック!(情報募集

ピックアップ記事

作品や資料を未来へつなぐ。――京都国際マンガミュージアム「のこす!いかす!!マンガ・アニメ・ゲーム展」 企画展示レポート

京都創造ゲームジャムに行ってきた! 熱き創造の結晶、全3作品を紹介! 〜学生ライター 山口輝の体験記(3)〜

亀岡をe-sportsの聖地に!サンガスタジアムでeスポーツを体験しよう【サンガスタジアム by KYOCERA e-sports ZONE】

憧れのシンカリオンと車両たちに会いに行こう!「シンカリオン チェンジ ザ ワールド in 京都鉄道博物館」イベントレポート

【叡山電車×恋する小惑星】私たちが見つけた京都の街の小惑星――「恋する小惑星ラッピング電車さよならフェスタ」コラボイベントレポート

【公式イベント情報】京まふ連動企画!京都のクリエイティブ業界に特化した合同就職説明会「京都クリエイティブ企業キャリアフォーラム」開催!(申込〆切:2025/2/28)

【パートナーイベント情報】第27回京都国際学生映画祭の各上映プログラム事前予約受付が開始!

京都発ゲーミング基地「e-sport base e32」はなぜ"基地"なのか? ゲームを超えた感動を共有できる空間を創る、オーナーの想い

【京都コンテンツ関連情報】うつ病発症から回復までの過程を学習できるブラウザゲーム 「復職すごろく」、京都企業と福岡県立大学・小嶋秀幹教授とが共同開発。Web無料公開中!

ITジャーナリスト三上洋氏が語る「生成AIの現状と展望」:第二回コンテンツクロスメディアセミナー開催報告

あさきゆめみし&光る君への舞台【京都御所】を聖地巡礼!床と〇を見れば平安建築が分かる!?

【京まふ2024】京都国際マンガミュージアム 『九井諒子展&「ダンジョン飯」迷宮探索展』と『コスミート102』に行ってみた!

【2024年度・第1回コンテンツクロスメディアセミナー開催報告】3DCGアーティスト:小畑正好氏が語る「デジタルコンテンツによって変革するコンテンツ制作」

【TVアニメ『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚- 京都動乱』】(京まふ2024)スペシャルステージ、(T・ジョイ京都)先行上映会&トークイベントにお邪魔しました!!

【映画『ふれる。』トークステージ】イジリ倒される前田挙太郎さんがかわいい!あだ名は〇〇?【京まふ2024レポート】最新場面カット&監督が語る作品の見どころ紹介も!

全て表示

2024年度の人気記事

憧れのシンカリオンと車両たちに会いに行こう!「シンカリオン チェンジ ザ ワールド in 京都鉄道博物館」イベントレポート

【公式イベント情報】参加費無料!2024年10月16日開催の第1回コンテンツクロスメディアセミナー開催概要公開&申込受付中!小畑正好氏が語る「デジタルコンテンツによって変革するコンテンツ制作」

【公式イベント情報】第2回コンテンツクロスメディアセミナー開催概要公開&申込受付中!三上 洋 氏が語る「生成 AI の現在と未来」(2024年11月22日(金)開催・参加費無料)

【公式イベント】西日本最大級のマンガ・アニメ・ゲームの祭典『京まふ2024』開催決定!9/21(土)・22(日)みやこめっせを中心に開催!メインビジュアルや出展者申込情報公開中!

【マンガ・アニメ分野】「ブルーアーカイブ (ブルアカ)」地域周遊型イベント「ブルーアーカイブ ~げにうららか☆京都満喫春の旅!~」開催!(2024年4月16日より順次開催)

全て表示

人気記事ランキング

ついに鶴丸がやってくる!聖地・藤森神社での太刀「鶴丸」(写し)の奉納・展示がまもなくスタート!

10月6日までイベント開催中!【鬼滅の刃 京ノ御仕事】東映太秦映画村でのコラボをご紹介!

京都通になれる!?TVアニメ『京都寺町三条のホームズ』聖地巡礼

「孤独のグルメ」原作者:久住昌之氏、「FFシリーズ」生みの親:坂口博信氏が登壇するセミナー、京都で開催!【10/16・30、参加費無料】

寺町三条のホームズ原作者、望月麻衣先生独占インタビュー&聖地巡礼!

平安貴族は〇〇を見せない?若者の服は〇色!?「光る君へ」マンガ「あさきゆめみし」が100倍面白くなる!京都文化博物館【紫式部と『源氏物語』】学芸員さんに話を聞いてきたパート2

京都通になれる!?TVアニメ『京都寺町三条のホームズ』聖地巡礼 その2

アニメ『有頂天家族』の聖地としても有名な京都の下鴨神社でみたらし祭開催中【07/30まで!】

巡ってわかる、心の距離。TVアニメ『月がきれい』聖地巡礼~前編~

【映画・歴史好き必見】東映太秦映画村の魅力をどどんとご紹介!新選組隊士の殺陣や実写映画『銀魂』等様々なロケが行われているオープンセット、仮面ライダー立像の撮影も可能!

全て表示

カテゴリ一覧

種類別カテゴリ

ジャンル別カテゴリ

年別記事一覧

ページ上部へ戻る