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京都創造ゲームジャムに行ってきた! 熱き創造の結晶、全3作品を紹介! 〜学生ライター 山口輝の体験記(3)〜
![京都創造ゲームジャムのイメージ画像](https://cmex.kyoto/wp-content/uploads/2024/12/36a4194d15287a120ef89f15ce980587.png)
いよいよ第3回目の記事です!最終回となる今回は、京都創造ゲームジャムで開発されたゲームの数々を詳しくご紹介していきます。
このイベントは、社会課題の解決をテーマにしたゲームを短期間で開発するというユニークな試みです。多様なバックグラウンドを持つ参加者たちがチームを組み、限られた時間の中でアイデアを形にしていく過程は、まさに圧巻です。
これまでの記事では、第1回でイベント全体の雰囲気や概要を、第2回では運営に携わった石川さんへのインタビューをお届けしました。
そして今回はいよいよ、開発されたゲームにフォーカス! ゲームジャム会場で参加チームにインタビューさせていただきました。時間の関係もあり、3チームだけとお話したのですが、翌日の受賞結果を見てびっくり、なんと3チームが全て受賞! 短期間で開発されたにもかかわらず、非常にクオリティの高いアイデアを有する作品ばかりです。ゲームジャム参加を検討されている方は、ぜひ参考にしてみてください。
ゲームタイトル「INFOCALYPSE」
選択テーマ「フェイクニュースとメディアリテラシー」
獲得された賞:最優秀賞
Team INFOPOLICE
栄えある最優秀賞に輝いたのは「INFOCALYPSE」!
情報が氾濫する世界を表現した”Information”と”Apocalypse”を組み合わせた造語で名付けられました。
このゲームは、SNSの投稿を読み解き、真実にたどり着く情報リテラシーが試されます。
投稿の中には、巧妙に紛れ込んだ嘘や無関係な情報が含まれており、プレイヤーは「印象」や「意見」に惑わされずに、真実の文節のみが残るまで銃で撃って文章を削る必要があります。
開発者の一言コメント
:「フェイクニュースをわざと作って、事実関係の確認が必要なものも出します。このイベントに望むこととしたら、中間のフィードバックのようなものが欲しいと感じました。」
シンプルなゲーム性ながら、嘘を嘘と見抜く力を試される、現代人にぴったりのゲーム。ゲームとして楽しみながら、SNSの投稿に初めて触れる人にとっての教材にもなり得る、一石二鳥のゲームと言えるでしょう。
ゲームタイトル「TELE」
選択テーマ「フェイクニュースとメディアリテラシー」
獲得された賞:優秀賞
Team TELE
優秀賞を受賞したのは「TELE」! 喋るの”Tell”と、カメラの”Tele”というダブルミーニングをかけて名付けられました。
バーチャル空間上にアバターが存在しています。
そして、アバターを一人選び、タッチすると、画面には現実世界の「ある部屋」が投影されます。カーソルを手探りで動かすと、家具や壁などにぶつかった際に様々な日常生活の効果音が響く仕組み。これらの音を頼りに周囲の状況を把握し、探索を進めていくゲームです。
1人のアバターをクリアするごとに、新たなアバターがバーチャル空間上に出現します。
開発者の一言コメント
:「ディスプレイ越しに存在しているプレイヤーを知ることをテーマにしています。最初の2日までは意見を纏める期間に充てました。コミュニケーションの面で、特にチームメンバー間で認識を共有するのが難しく、ゲームの方向性を決めるのに苦労しました。」
このゲームは、SNSを通して繋がる、ディスプレイ上の友人たちの姿を、現実世界に投影することで、彼らの状況や心情を想像させる、独特な体験を提供します。普段はディスプレイの中だけの存在である彼らが、実は現実世界で生活を送っているという事実を、音を通して体感することで、よりリアルな存在として認識することができるでしょう。インターネット上での誹謗中傷などの問題が深刻化する現代において、画面の向こう側にいる相手を「人」として意識し、思いやりを育むきっかけとなるかもしれません。
ゲームタイトル「ローストチキン」
選択テーマ「フェイクニュースとメディアリテラシー」
獲得された賞:フェイクニュースとメディアリテラシー賞
Team ローストチキン
フェイクニュースとメディアリテラシー賞を受賞したのは「ローストチキン」!タイトルは某SNSの旧名に由来するそうです。青い鳥、、、なるほど。
※製作中の画面
この「ローストチキン」は、プレイヤーがSNSの運営者となり、ニュースやトピックを投稿してプラットフォームを盛り上げ、情報がどのように消費され、受け取られるのかをシミュレーションできるゲームです。
開発者の一言コメント
:「プレイヤー側がアルゴリズム自身になることで、実はSNSのユーザーが信頼ある生データに触れることは難しい事なのではないか、ということを認識してもらう狙いがあります。似たようなシステムのゲームがほとんど存在しなかったので、実際の開発が最も苦労しました。」
ライバルSNSとの競争といった要素はなく、情報発信者側の視点を通して、ニュースの拡散や受け手の反応を疑似体験することで、フェイクニュース問題への理解を深めることができます。これまで受動的に受け取っていた情報に対しても、新たな視点を持ち、より深く考えるきっかけとなるでしょう。
どのゲームも非常に個性的で、それぞれ異なるアプローチでメディアリテラシーなどの社会問題に取り組んでいました。
「INFOCALYPSE」は、情報に含まれる印象や意見といった要素を削り取っていくという直感的なゲーム性を通して、フェイクニュースの見抜き方を楽しく学べる作品に仕上がっていました。
また、「TELE」は、暗い部屋の中で響く物音を通して他者の存在を想像させるという斬新な手法で、オンラインにおけるコミュニケーションのあり方について考えさせられます。
そして、「ローストチキン」は、情報発信者側の視点を取り入れることで、如何に情報にユーザーが飛びつきやすいのかを気付くきっかけを与えてくれる作品でした。
どの作品も、ゲーム性、テーマ性、そして社会的な意義が見事に融合しており、短期間でこれだけの完成度を持つゲームを作り上げた開発者たちの熱意と努力に深く感銘を受けました。
イベントを通じて、参加者たちは短期間で試行錯誤しながらも素晴らしい作品を生み出しました。活気に満ちたイベントの雰囲気、そしてクリエイターたちの熱意と手際の良さは、取材を通して私自身にも大きな刺激となりました。
皆さんも、ぜひ一度参加してみてはいかがでしょうか。
詳しいイベント情報はホームページをご確認ください!
京都創造ゲームジャム
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