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【パートナーイベントレポート】京都国際学生映画祭――学生よ、古きを温め映画界の次世代を創れ

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2025年2月6日から9日にかけて、京都文化博物館フィルムシアターにて、「第27回 京都国際学生映画祭」が開催された。この記事では、入選した作品の紹介はもちろん、実際の会場の様子と共に、実行委員会の方々から聞いたお話をレポートしていく。

京都国際学生映画祭とは

このイベントは、日本最大規模の国際学生映画祭として、大学コンソーシアム京都が主催し、学生有志によって企画・運営されている。

応募作品は、29歳以下の若手監督で、制作時に学生だったことが条件(その他詳細な条件もあり)。そのため、映画監督の登竜門として、未来の映画界を担う人物の発掘を目的としている。

京都は、古くから映画の文化遺産を現在に継承する「映画のまち」でもあり、大学生が多い「大学のまち・学生のまち」でもある。そのため、このようなイベントを行うにはうってつけの場所なのだ。

今ご覧になっているKYOTO CMEXは、京都国際学生映画祭のパートナーとして、広報活動を軸に京都の映画文化の活性化に協力している。

4つのプログラムと特別企画に分かれて上映会などを実施

今年の京都国際学生映画祭では、日本や韓国、フランスなどで制作された16作品が入選を果たし、4つのプログラムに分かれて上映された。

ブログラムA

『ボウル ミーツ ガール / BOWL MEETS GIRL』 関 駿太 日本
『恍惚的眼前 / How to Find Your Comrade in a Trance? 吳鎮序 / WU Zhenxu 中国
『Dissonance』 Gervaise Gauthier フランス
『REDMAN』 キム ソンジェ 日本

プログラムB

『생일선물 / Birthday Blowout』 Chung Jaehoon 韓国
『Heirloom』 Rui Song アメリカ
『Vortex』 JANG Jae-Woo 韓国
『새들의 언덕 / The hills of birds』 Lee Euntaek 韓国

プログラムC

『Searching for Sol』 Jaime Morados フィリピン
『Au 8ème Jour / On the 8th day』 Agathe Sénéchal, Alicia Massez, Elise Debruyne, Flavie Carin, Théo Duhautois フランス
『누가 내 배낭을 훔쳐갔는가 / The Burden』 孫 博驍 / SUN Boxiao 韓国
『Stabat Mater』 Hadrien Maton, Quentin Wittevrongel, Arnaud Mege, Coline Thelliez, William Defrance フランス
『にわとりはじめてとやにつく』 栗原侑莉 日本

プログラムD

『음어오아 / MM, UH, OH, AH』 Choi Nahye 韓国
『Chaehwa』 HONG Seung gi  韓国
『BOY MEETS HOME』 永井 哲太 日本

応募されてきた作品に関して、「国ごとに特徴が見られたのが面白かった」と審査を担当した委員の方は言った。このプログラムの分け方も、意図があって4つに分けているとのことなので、鑑賞を通じてそれぞれの作品が伝えたいことを感じ取ってほしい。

特別プログラム

学生による入選作品の上映だけでなく、ゲストによる特別プログラムが各日に行われた。

1日目の「サイレントシネマ〜弁士の語り、音の響き、無声映画の情熱〜」では、無声映画に弁士の語りや生演奏を加えて上映するスタイルを再現し

活動写真弁士の大森くみこ氏とピアニストの鳥飼りょう氏が出演し、今となっては画期的な手法となる映画鑑賞を楽しむことができた。「京都は歴史ある街。新作旧作こだわらず、映画を楽しんで欲しい」と学生へのメッセージでおっしゃっていたのが印象的だった。

その他にもゲストの持ち込み企画が開催され、各日とも会場は大きな盛り上がりを見せていた。

受賞作品

最終審査員の荒木啓子氏今泉力哉氏立川譲氏の3名と実行委員会の審査により、上の16の入選作品の中から、最終的に6つの賞が決定され、2月9日に授賞式が行われた。

作品名 監督名 監督の国籍
グランプリ 恍惚的眼前 / How to Find Your Comrade in a Trance? 吳鎮序/Zhenxu Wu 中国
準グランプリ Stabat Mater Hadrien Maton,Quentin Wittevrongel,Arnaud Mege,Coline Thelliez,William Defrance フランス
最終審査員賞(荒木啓子賞) 음어오아 / MM,UH,OH,AH Choi Nahye 韓国
最終審査員賞(今泉力哉賞) Dissonance Gauthier Gervaise フランス
最終審査員賞(立川譲賞) Au 8ème Jour / On the 8th day Agathe Sénéchal, Alicia Massez, Elise Debruyne, Flavie Carin, Théo Duhautois フランス
実行委員会賞(奨励賞) ボウル ミーツ ガール / BOWL MEETS GIRL 関駿太 日本

学生だけで映画祭を運営するということ

実行委員長の永田さん

初めにも述べたように、京都国際学生映画祭は、主に学生の実行委員による尽力で成立している。審査から翻訳ボランティアの方とのコンタクトなど、通常では経験できない様々な仕事をすることができるが、やはりどれも一筋縄ではいかない仕事ばかりだという。

しかし、大変な分だけ映画祭が成功裏に開催できたことの嬉しさは計り知れない。実際、会場の実行委員会の皆さんには笑顔があふれていて、自分の仕事にプライドを持ちながら、取材に訪れた筆者に応対してくれたのが印象的だった。

特に審査はもっとも時間が掛かる活動で、今回は500件を超える応募があったという。それらを1つ1つ丁寧に鑑賞し、学生ならではの視点を持ちつつ作品の審査を進めて行くそうだ。

実行委員大募集中

1年間をかけて映画祭を準備する京都国際学生映画祭実行委員会の委員は、いつでも募集しているとのこと。

イベント開催のノウハウはもちろんだが、世界各国からの作品応募があるため、語学に堪能な人は大歓迎。実行委員会2年目の先輩方もいるので、初心者でも安心して参加できる。

大学時代に打ち込めることを探している人、また、同じようなビジョンを共有できる仲間がほしい人は、ぜひ実行委員会に応募して、メンバーとして映画祭を支えてみるのはいかがだろうか。

少しでも興味があれば、こちらから応募して、話を聞きに行ってみよう

京都国際学生映画祭に参加しよう

会場となった京都文化博物館

2025年で第27回を迎えた京都国際学生映画祭。今年も世界各国から、バラエティ豊かな作品が応募され、会場も大変にぎやかだった。

入選した作品の監督の方々の努力はもちろん、実行委員会の皆さんの努力の結晶でもある京都国際学生映画祭は、来年も開催予定だ。作品応募をする、実行委員会でホストを務める、お客さんとして参加するなど、様々な関わり方ができるのも魅力のひとつ。

筆者は今回広報としてお手伝いしたが、この記事を読んでいる方が京都国際学生映画祭に興味を持っていただければ幸いである。

京都国際学生映画祭
HP: https://www.kisfvf.com/
X: https://x.com/kisfvf

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雨森ライター

投稿者プロフィール

京都歴22年目。KYOTO CMEXの一員として、地元目線からのディープな情報を発信。写真も自分で撮っています。

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