
2025年9月20日、京都の梅小路エリアに待望の「FUTURE TRAIN KYOTO DINER & CAFE」(以下、FUTURE TRAIN)がグランドオープンした。
FUTURE TRAINは、日本初の廃線高架上に誕生した列車型エンタメレストランだ。食事はもちろんのこと、特急サンダーバードで活躍した681系をアップサイクルした没入型体験エリア「FUTURE BIRD」の車内では、アートと映像・光・音が融合する特別な時間を過ごすことができる。この記事では、一足先に「FUTURE IMAGINATIONコース」を体験した様子を紹介する。
「FUTURE TRAIN」とは?
梅小路エリアにおける地域活性化を目的として、西日本旅客鉄道株式会社、京都駅ビル開発株式会社、株式会社梅小路ハイライン、株式会社地域経済活性化支援機構、地元金融機関、近隣事業者及び京都市含む11社間にて2025年3月に締結された「京都駅西部エリアにおける”鉄道高架空間の活用によるエリア活性化”のための連携協定締結について」に基づきプロジェクトが始動した。
クリエイティブ・プロデューサーにアーティストの増田セバスチャンを迎え、かつて京都と北陸を結んだ特急サンダーバード(681系)をアップサイクル。日本初となる廃線高架上のレストランである。
FUTURE BIRDに乗ってここでしか体験できない旅へ
FUTURE TRAINの1号車「FUTURE BIRD」は、かつて実際にJRで活躍していた車両を用いている。ここでは、「未来行きの列車の機関室」をテーマにした体験できる。レトロフューチャーな装飾とCG・電飾・音響を立体的に組み合わせた演出が、特別な物語へと誘う。
いざ車内へ
改札口を通って、FUTURE BIRDの後ろ側のデッキに乗車。薄暗い空間に近未来的な計器が並んでおり、さっそく違う世界に足を踏み入れたようだ。
かつてのサンダーバード先頭車両を活かしたアート体験空間へ
乗務員の「ブラックバード」から説明を受けたあと、ウェルカムドリンクが渡される。炭酸の効いた辛口のドリンクで、一気にFUTURE TRAINの世界観に引き込まれた。
「想像力」を鍵に、梅小路の地から未来へと出発。車内側面だけでなく、前面と天面も大型スクリーンが設置されているので、没入感は非常に高い。映像では、ゲームのような世界から妖怪のいる世界まで、様々な場所を見て回る。ぜひ、実際に現地に行って体験してみてほしい。
FUTURE TRAINのガイドたち

ピンクバード(中)とブラックバード(左右)
アテンダントを務めるのは「ピンクバード」。ピンクの羽を模した制服が特徴の「時空アテンダント」で、本体験全体を通じて物語と乗客をつないでくれる。
まるで本当に時空を旅する列車に乗っているような演出で、鉄道での旅行が好きな筆者はとても楽しむことができた。
FUTURE BIRD車掌の「バーディ・バディ」も来てくれた。ピンクの帽子とカラフルな尾が目印。
「FUTURE IMAGINATIONコース」で、コース料理を堪能

2号車の様子
今回は「FUTURE IMAGINATIONコース」を体験した。こちらは前述した約20分の物語とアートコンテンツ体験のあと、コース料理を味わうことのできるプランだ。
「乗る」「感じる」「味わう」をひとつなぎに体験することができ、FUTURE TRAIN独自のコンテンツを満喫できる。ここからは、食堂車をモチーフとしたメインダイニング、2号車での食事の様子などをお届けしていく。
※ FUTURE IMAGINATIONコースは現在、完全予約制。
料金は11,000円(税込、入場料・サービス料込)。開催日は水、木、金、土曜日(予定)、18時45分~20時45分(乗車開始時間は18時30分)。予約はこちら。
コース料理紹介
食前酒(今回は取材用のノンアルコールドリンク)

山陰線の高架を望む
最初に出てくるのは、カラフルなドリンク。2号車からは、外の景色も楽しめる。
Amuse 「PIXEL ピクセル」
アミューズの3点盛り。燻製サーモンと抹茶ディルのバジルコーン、甘露煮とゴルゴンゾーラのパニプリハモンセラーノ添え、松風焼きとピンクリーフチュイルのサンド。
Appetizer 「Sugar Land おかしな、お菓子の世界」
焼き茄子と甘海老のタルタルをチュロス仕立てで。ポップな見た目が食欲をそそる、前菜にぴったりの一品。
Bread 「Baloon ふうせん」
米粉のポップオーバー。3種(カスタードクリーム・ホイップクリーム・ハニーマスカルポーネ)のお好きなホイップと一緒にどうぞ。筆者は贅沢に全部つけてみた。
Soup 「Jellyfish くらげ」
スープの容器に満たされた梅の木のスモークの香りと一緒に楽しむ。
Seafood 「WARP ワープ」
魚料理は帆立のポワレ。皿に乗っている黒いチュイルを割っていただく。京白味噌を使用したのヴァンブランソースがアクセント。
Meat 「VOYAGE 旅路」
肉料理は近江牛ランプのロティと野菜。お肉がとても柔らかく、あっという間に完食。
Dessert 「Kaleidoscope 万華鏡」
デザートは、可愛らしい見た目の甘いカッサータ。コーヒーか紅茶がつく。
梅小路で唯一無二の体験を
FUTURE TRAINでの体験は、まさに五感をフルに使う「時空の旅」だった。かつて北陸路を駆け抜けたサンダーバード。CG・電飾・音響を立体的に組み合わせたアートと食を乗せて再び出発した。
1号車「FUTURE BIRD」で体験できる映像の圧倒的な没入感から、個性あふれるコース料理まで、すべてがひとつなぎのエンターテイメントとして設計されている。京都・梅小路の地から、訪れる人に忘れられない感動を与えてくれる。
店舗情報
FUTURE TRAIN KYOTO DINER & CAFE(フューチャートレイン・キョウト・ダイナー・アンド・カフェ)
所在地:京都府京都市下京区観喜寺町3-7 梅小路ハイライン/梅小路京都西駅直結
アクセス:JR京都駅から1駅(徒歩約20分)
グランドオープン日:2025年9月20日(土)
席数:全88席
入場(チャージ)料:700円、中学生未満300円(未就学児は無料)
営業時間:平日:11時〜16時、17時〜23時/土日祝:11時〜23時
公式サイト・予約:https://www.futuretrain.jp/
Instagram:https://www.instagram.com/futuretrain.kyoto/
(おまけ)鉄道ファン向け情報
クロ681-4は2025年4月27日から28日の早朝にかけて、吹田車両基地から陸送された。681系先頭部分には、かつての編成番号「W15」の表示がそのまま保存されている。
種別の幕と電光掲示板部分はFUTURE TRAINオリジナルの表示に変更。ドア横の号車案内と指定席/自由席を表示する電光掲示板は撤去され、「Imagination」の表示に置き換えられている。
ホームの足元表示や頭上の案内板、駅名標を思わせる装飾も。
記念乗車券をピンクバードに入鋏してもらえる。
6号車「テラス席」からは、梅小路短絡線の廃線跡を見ることができる(立ち入りは不可)。