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7月8日@立命館イベントのゲスト柿崎俊道聖地巡礼プロデューサーインタビュー
- 2017/6/21
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先日、立命館大学映像学部で展開する京都国際マンガアニメフェア2017の応援企画として聖地巡礼をテーマとした講演が行われるということで、早速、そのゲストである柿崎俊道氏にオンライントークインタビューを敢行しました(便利な世の中になりました)。
講演会は7月8日(土)13時から京都の立命館大学衣笠キャンパスでおこなわれます。 申し込み方法はこちらから。
アニメ雑誌の編集からはじまったアニメ業界との深い関わり
Q まず、柿崎さんがアニメ業界へと関わっていったきっかけを教えてください。
柿崎俊道 聖地巡礼プロデューサー(以下、柿崎):
まず、社会人1年目にして携わったのが、『アニメージュ』の別冊『GaZO』の編集でした。ここでアニメ雑誌づくり全般に携わった後、フリーとして独立。そのような中で、スタジオジブリに呼ばれて『風の谷のナウシカ絵コンテ集』などを担当することになりました。絵コンテ集については『千と千尋の神隠し絵コンテ集』まで担当しました。あくまでも業務委託という形ですので、他のアニメメディア関連の仕事にフリーとして参加していたのでジブリ専属というわけではありません。三大アニメ雑誌に雑誌記
事の企画や取材、その後の構成などアニメ雑誌づくりの全般に関わってきました。当時の私のアニメメディア関連の集大成の作品として、『Works of ゲド戦記―Digital Artwork|STUDIO GHIBLI』があります。
Q なるほど。アニメ業界に関わるきっかけがメディアとしてだったわけですね。メディアの立場から実際の業界に深くかかわっていくという話はよく聞きます。鈴木敏夫プロデューサーとはその際たる例ですよね。
柿崎:はい。私は聖地巡礼プロデューサーとして日本各地を巡りつつも、いまでもアニメスタジオやアニメクリエイターと一緒に仕事をしています。聖地会議ではアニメクリエイターや経営者の方にご登場いただいていますし、講談社『頭文字D』や『聖☆おにいさん』の公式ガイドブックの編集を務めるなどの仕事もしています。聖地巡礼プロデューサーとしては、『輪廻のラグランジェ』の原画、動画をその聖地である千葉県鴨川市にするためのプロジェクトに参加しています。XEBECのプロデューサー、作品の監督である鈴木利
正さんらとともに実現いたしました。
Q 現在千葉県鴨川市では、鴨川市郷土資料館にて7月4日から原画展を開催すると告知さ
れていますが、それですね?
柿崎:ええ。地域を舞台にした作品の制作資料を地域で保管するということは、御本尊、御神体がやってくることと同義です。千葉県鴨川市は本当にアニメの聖地になったのだと思っています。
「聖地巡礼本」の取材がきっかけで実感した聖地巡礼プロデューサーの必要性
Q あとアニメのイベントプロデュースもしていますよね。
はい。『アニ玉祭』ですね。総合プロデューサーとして第一回目の2013年からいままで、様々な企画の立案や、アニメ企業との交渉、イベント促進用メディアの制作や聖地巡礼をテーマにした関連イベントの実施などを取り仕切ってきました。今回は京都国際
マンガアニメフェア2017の応援企画とのことですが、アニ玉祭は京まふさんとも仲良くしています。地域イベントの連携はアニメイベントでは重要ですからね!
Q なるほど、では『アニ玉祭り』で埼玉県と深く関わってきたことをきっかけに聖地巡
礼プロデューサーになったわけですね。
柿崎:聖地巡礼プロデューサーを名乗りはじめたのは、2012年頃です。聖地巡礼が盛り上がり始めた機運を感じて、先んじようと思ったのです。聖地巡礼を生業にしたのは、実はそれよりもずっと前です。05年に日本で初めて「聖地巡礼」をテーマにした書籍『聖地巡礼 アニメ・マンガ12ヶ所めぐり』を上梓しました。それから7年間、埼玉県を中心に地域と関わり続け、12年に本業にしようと聖地巡礼プロデューサーを名乗りました。
Q 『聖地巡礼 アニメ・マンガ12ヶ所めぐり』ではどのような場所にいきました?
柿崎:いやあ~。本当に大変でした。有名どころでは『新世紀エヴァンゲリオン』の箱根、『究極超人あ~る』の長野県飯田線、『天地無用』の岡山県などですね。この他に『朝霧の巫女』の広島県三好市など全国12か所。三好市は、交通の便の問題もあってすごく大変
だったのを覚えています。
Q では、こういった取材活動が自然にいまの活動につながるように
なったんですね?
柿崎:そうです。取材をしているうちに、アニメをきっかけに人がたくさん来るということが必ずしも地方の恩恵になっていないということに気がついたんです。実際『聖地巡礼』の本を執筆するにあたって先ほど紹介した作品の他に、『おねがい☆ティーチャー』とい
うアニメも入れる予定でした。
Q 聖地巡礼の代表例というと『らき☆すた』、『涼宮ハルヒの憂鬱』とならんで『おねがい☆ティーチャー』もよく聞きますもんね。
柿崎:ええ。当然、版元に取材をお願いしたのですが、断られてしまったんです。あまりにもファンが来たということが、地域で問題になってしまったということで...私の視点からしたらすごくもったいないなと思ったわけです。
Q 当時はアニメの舞台めぐりという発想すらあまりなかった時代ですもんね。
柿崎:でも実は今でも問題になりがちなんです!
今でも続くアニメの作り手と地元の人たちの間に生まれる考え方の相違
Q:その理由は?
柿崎:聖地巡礼プロデューサーとして活動を開始してからの主な仕事に版元と地方自治体や商業団体との折衝を担当して気づいたのですが、一番の理由はそれぞれの考え方が根本的に違うということにあります。
Q:なぜそんな違いが生まれてしまうのでしょう?
柿崎:お互いの仕組みをしらないからです。なにがどう違うかは、様々なケースがあるのですが、これまでの活動の中でやっと明確になってきました。講演ではしっかりとこの辺を話したいと思っています。
Q なるほど、講演内容以外で参加者にとってプラスになることは
ありますか?
柿崎:聖地会議という雑誌を15年8月から発行しています。これまで15号まで発行していて、さらに今夏のコミケでは、これらのバックナンバーに加え、新刊4冊も発売予定です。今回は、講演の参考資料として、聖地会議の4号と8号のいずれかを受講者全員にプレゼントしたいと思っています。
Q それは驚きです!では最後に本サイトの読者にもひとことお願いします!
柿崎:せっかく地元を舞台にしているアニメがつくられているのにそのチャンスを活かしきれていないと悩んできた方や、アニメビジネスにどうしたら携わっていけるのか悩んでいる学生さんにとっては有益な情報をたくさん準備しているので是非、参加していだけれ
ばと思います。参考資料として持参する対談誌、聖地会議も是非おみやげとして持ち帰っ
ていただければと思います!
ありがとうございました!
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