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映画字幕翻訳者 戸田奈津子様が語る「世界の映画俳優が愛した京都」。第1回コンテンツクロスメディアセミナー開催報告

KYOTO CMEXの公式イベント:「コンテンツクロスメディアセミナー」。今年の第1回目のセミナーを、2020年9月18日(金)に開催しました(於:ホテルモントレ京都)。講師は映画字幕翻訳者の戸田奈津子様。「世界の映画俳優が愛した京都」というテーマでご講演をいただきました。

ご講演は、戸田様のご経歴の話題からスタート。戸田様が映画字幕の仕事を志した20代当時は、洋画の全盛期。しかし、字幕翻訳の仕事の門はとても狭く、英語の勉強を続けてチャンスを待つことに。そんな中、戸田様に巡ってきた映画関係の仕事は、海外から映画俳優の方が来日された際の通訳・アテンドのご依頼。戸田様は英会話経験の不足を感じながらも、「映画の大ファンとしては、またとない機会。恥をかくのは承知で」と、30代から通訳・アテンドの仕事をスタートされたそうです。

そして、今回のご講演のテーマ:「世界の映画俳優が愛した京都」の話題へ。戸田様は、会場のスクリーンに映画界の大スターの方々との思い出の写真を投影。二条城でのロバート・デ・ニーロさんや、新幹線車内でのアーノルド・シュワルツェネッガーさん、清水寺でのロビン・ウィリアムズさんなど、8名の貴重なお写真をご紹介いただきました。そして、「全員のエピソードを紹介するには時間が足りないので、非常に思い出の深い方とのお話を」と、時間の許す限りお話いただきました。

リチャード・ギアさんを京都にアテンドされた際の思い出については、「彼は京都の庭、それも、人のいない、ひなびた、崩れかかったような庭を好んでいました。彼は仏教に理解が深く、輪廻を信じるから、“生まれ変わる前にここにいた(”I was here.”)、日本人だった”と言っていました」、「映画の仕事の機会を活かして来日しては京都を訪れて、ひなびたお寺を訪れてはモノクロでとても良い写真を撮って、クリスマスには大きく引き伸ばして送ってくれました」、「彼は日本の食にも詳しく、微妙な味の細かいところまでとてもわかる方でした。ひじきが好きで、“ひじき、ひじき”とよく話していました」等々、日本や京都を心から愛していることが伝わってくるようなエピソードをご紹介いただきました。

また、ロバート・デ・ニーロさんとの思い出については、来日時にご家族で二条城を訪れた際のお写真をスクリーンに投影しながら、「お会いするまでは、気難しい人、近寄り難い人なのだろう、と思っていました。ところが、お会いすると、優しくてスイートで、物静かで本をよく読んでいる、温かく包んでくれる方でした。俳優さんに限らない話だと思いますが、その人がどういう人かということは、うわさを信じるのではなく、自分の目で確かめないとだめですね」と振り返られました。そして、3人の息子さんたちの「忍者屋敷やチャンバラを見たい」というリクエストにお応えして、東映太秦映画村の劇場にお連れしたエピソード(ロバート・デ・ニーロさんが映画村に突然登場したら大騒ぎになってしまうかもしれないので、ご本人にはお待ちいただくことにしたそうです。)では、そのやりとりから伝わってくる素敵な優しいお人柄に、会場も温かい笑いに包まれていました。

次第に、俳優の方々のお人柄の話題へ。ロビン・ウィリアムズさんについては「惜しんでも惜しみ切れない。生まれながらのエンターテイナーで、人を笑わせたいという気持ちにあふれた方でした。それぞれの国での笑わせ方があると思いますが、彼は日本人にもわかるようなジョークを考えるために、日本のことをとても勉強していました。お経や神社、相撲を取り入れたモノマネのネタを考えて、記者会見はいつも爆笑の渦でした」、「彼は本当に優しくて、小さなことでも私が何かすると“Thank you, Toda” と小さな声で伝えてくれる方でした。今でも優しい笑顔が忘れられません」と、惜しみ懐かしみながら、思い出深いエピソードをご紹介いただきました。

また、トム・クルーズさんについては、鉢巻き姿のトムさんの写真を投影しながら、「彼は映画を作ることが本当に好きで、人をエンターテインする(楽しませる)ことに命を懸けています。例えば、彼はスタントマンを使わないことで有名です。かなり危険なことでもほとんど彼が自分でやっています。私がこの目で見ていますから本当です。スタントマンを使えば“トムじゃない”とファンの方にはわかるので、“トムがやっている”とわかるように、顔が見えるように演じています」、「皆に対して常に平等に付き合っていて、あんなに誰にでも優しく対応できるものかと思う。エレベーターに乗る時も、手でドアを開けて、自分が最後に乗る。スター気どりしない方です。おしなべていえば、ビッグになればなるほど皆さん謙虚で、人間的に優れている人がビッグになっていく」と、間近に接してきた戸田様だからこそのエピソードを、熱を込めてご紹介いただきました。

さらに、「ビッグになればなるほど謙虚である」の代表的な方として、ハリソン・フォードさんの話題へ。「最初の『スター・ウォーズ』(1977)でビッグになったのは30歳過ぎで、今や70歳。ご活躍の1ステップ目からずっと拝見していますが、あんなに(人間性が)変わらない人っていない。彼は人間的に本当に謙虚で、出しゃばらない美しさがある。彼は“ビッグになったのは運が良かったから。ラッキーだった”と片付けます。もちろん、決して運だけではなく、彼はものすごく努力してきています」と、20代の頃のハリソン・フォードさんの苦労のエピソードも交えながら、お人柄をご紹介いただきました。

最後に、新型コロナウィルス感染症の影響が広がる中での映画についての話題に。「やっと映画館で見られるようになってきたけれど、試写はないし、本数は少ないので、映画ファンとしてはとても悲しい。また、撮影済みの映画は編集して完成するけれど、これから撮影しなければいけない映画は、三密にならずに撮ることは難しいかもしれない」と撮影現場の方々への苦労に思いを馳せながら、「ファンとしては、楽しい映画や俳優さんたちの活躍を一日も早く見られることを楽しみにしています」とエールを送り、「ファン談義でしたが、お楽しみいただけたのでしたら幸いです」とご講演を締めくくられました。

戸田様、ご参加いただいた皆様、誠にありがとうございました。

ライター

KYOTO CMEX

KYOTO CMEX実行委員会 広報担当

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