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別所哲也様が語る「ショートフィルム事業の取り組みと京都への期待」。第2回コンテンツクロスメディアセミナー開催報告

KYOTO CMEXの公式イベント:「コンテンツクロスメディアセミナー」。今年度の第2回目のセミナーを、2020年12月3日(木)に別所哲也様を講師にお迎えして開催しました(於:ANAクラウンプラザホテル京都)。別所様は俳優・タレントとしてのご活動だけではなく、映画祭「ショートショートフィルムフェスティバル & アジア(SSFF & ASIA)」の発起人・代表や、映像制作事業会社の経営者としても日々ご活躍されています。今回のセミナーでは「ショートフィルム事業の取り組みと京都への期待」というテーマでご講演をいただきました。

まずは、別所様とショートフィルム(短編映画)との出会いの話題からスタート。別所様は大学時代に英語劇のサークルに入ったことがきっかけで「俳優になる!」とご決意。大学卒業後にオーディションに参加・合格し、翌年、日米合作映画『クライシス2050』(1990)でハリウッドデビューされました。映画製作の本場であるハリウッドで演劇や映画製作について学ばれる中、アメリカのご友人の熱心な勧めでショートフィルムを初鑑賞。その魅力に惹き込まれたそうです。

次に、ショートフィルムの映画祭をご自身で開催するに至る経緯についての話題へ。先述のショートフィルムの鑑賞後、別所様は「ショートフィルムには可能性がある。なぜ長編映画でなければならないのか」と自問自答。そうした日々の中、1998年にアメリカのユタ州で開催された「サンダンス映画祭」の会場を訪れた際に、シリコンバレーのエンジェル投資家やスタートアップ企業の関係者が、至るところでショートフィルムの配信権を購入する交渉を行っている光景を目の当たりに。ショートフィルムの需要の高まりを確信した別所様は、帰国後の1999年、アメリカでのご縁を基に、ジョージ・ルーカス監督が南カリフォルニア大学時代に制作した短編映画『電子的迷宮/THX 1138 4EB』などをラインナップとする、日本初のショートフィルム対象の映画祭「アメリカン・ショートショートフィルムフェスティバル」を発起。以来22年間、映画祭はさまざまな工夫を加えながら毎年開催され、現在では5000本ものショートフィルムが集まる映画祭「ショートショートフィルムフェスティバル & アジア(SSFF & ASIA)」に成長しています(2020年9月の映画祭のダイジェスト動画を以下のYouTubeよりご覧いただけます)。

続いて、別所様が手掛けられている映像制作事業についての話題へ。「日本はモノ作りは素晴らしいけど物語が聞こえてこない」という声を受けた別所様は、広告とショートフィルムを融合させた「ブランデッドムービー(Branded Movie)」に着目。インターネットの普及や通信速度の向上、スマートフォン普及に伴い、企業が顧客へアピールするための手段としての映像への需要が高まっている中で、創業の想いやプロダクトについてのストーリーを映像で伝えることで顧客からの共感を集め、企業のブランド価値を高めていけるような映像(ブランデッドムービー)の制作事業に取り組まれています。また、映画祭ではブランデッドムービーの部門を2016年より新設(「BRANDED SHORTS」)。壇上では、映画祭で取り上げたブランデッドムービーの事例として、カナダの業界団体の例(『Notes』)や、アップル社の中国での例(『Three Minutes』)をご紹介いただきました。また、ご自身の会社で手掛けられたネスレ社での例(ネスレシアターよりご覧いただけます)についても言及されました。

さらに、ブランデッドムービーは顧客向けだけではなく、HR対策(採用希望者向け)やIR対策(投資家向け)にも有効である旨も語られました。例として、日本の造船会社が自社のアニメ映画を製作したことで翌年の採用希望者が増えた事例をご紹介いただき、「会社の規模や特徴などのデータを示すのではなく、動画を見た方に、面白い・共感できる、と思っていただけるような伝え方が大切です」と語られました。

別所様は、大学時代に商社マンとして就職する夢もあったそうですが、ブランデッドムービー等の映像制作事業を行われていることについて、「今は俳優でありながら、ショートフィルム専門ブティック商社で商社マンの仕事もしている」と話され、好きな映画に携わり続ける中で、「夢が叶った」と語られました。

そして、今後の展望の話題へ。「人間関係を作る基本には、まずは地縁と血縁があり、さらに今は『ネット縁』がある」と別所様。「インターネット上では、共感する人同士がつながります。そこには、国籍も関係ありません。例えば、ゲームの対戦相手として楽しみ合ううちに友情が生まれ、その人やその国について知りたくなることもありますし、ミッション、哲学、想いなどで人が集まってつながることもあります」と語り、「映画祭や映像制作事業を通じて、その共感を呼ぶような『物語』をショートフィルムに変換して、多くの方に届けたいです」、「人間には、人とのコミュニケーションの中で自分を高めていく『祭り』が必要だと思います。映画祭という形式に限らず、eスポーツをはじめ、21世紀型の祭りをビジネス化していきたいと思います」と意気込みを語られました。

さらに、日本の「ものづくり」と並べて「物語ビジネス」に焦点を当てた上で、「日本が世界の中でも得意としてきた様々なものづくり産業の救世主となれるよう、ショートムービーを通じて変革を起こすメンバーの中にいられるようにしたい」と語り、「映画祭で行っているような審査や評価による価値をつける『ランキングビジネス』、ショートフィルムや映像を集めて配信を行う『アーカイブプラットフォームビジネス』、より需要の高い映像に高い価値をつける『オークションビジネス』の3本柱を備えたような日本発の事業を通じて、世界へ打って出たい」と抱負を語られました。

講演の様子

最後に、映像分野における京都への期待についての話題へ。別所様は「今や、データは『21世紀の石油』と言われています」とした上で、「日本、特に京都には、文化や産業から培われてきた技術、サービス、商品、映像コンテンツや映像技術など、様々なデータアセット(データの資産)が蓄積されています。それらを映像化して集約し、一元的に管理・活用できるようにすることにより、今後、GAFA(ガーファ:Google、Apple、Facebook、Amazon)に対抗できるようなサービスを、日本から打ち立てられるのではないか」と、京都が映像分野で果たすことのできる潜在的な力の大きさについて、ビッグデータや人工知能とも関連付けながら語られました。

講演の様子

講演の最後には「来年、または再来年にでも、京都でもショートフィルムの映画祭を具現化したいので、ご協力をいただける方がいらっしゃいましたらぜひお声がけください」と、京都の皆様への熱いメッセージをいただきました。その後もお時間の許す限り会場からのご質問にもお答えいただきました。別所様、ご参加いただいた皆様、誠にありがとうございました。

ライター

KYOTO CMEX

KYOTO CMEX実行委員会 広報担当

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