- Home
- 京都国際マンガ・アニメフェア(京まふ)
- 京まふ10回記念!歴代担当者インタビュー第三弾【by立命館大学映像学部学生チーム】
京まふ10回記念!歴代担当者インタビュー第三弾【by立命館大学映像学部学生チーム】
- 2021/8/25
- 京都国際マンガ・アニメフェア(京まふ)
- 京まふ
- 846
今回の開催で10回記念を迎える京まふ。京まふは、京都市と京まふ実行員会が主体となって開催しているマンガ・アニメイベントです。そこで、京まふを支えてきた歴代の担当者様にインタビューをしました。
今回インタビューを行ったのは、2016年〜2018年担当の芝野さんです。
京まふというイベントを受け継ぐ大変さがありました。
ーーーーーご担当されていた時に苦労したことはどのようなことでしょうか?
「私は、ちょうど5周年となる2016年に京まふの担当となりました。立ち上げメンバーはすでに別の部署に異動していましたが、ある程度イベントの型は決まっていて、ノウハウも蓄積されつつありました。
初年度は仕事を覚えるのにとにかく必死でしたね。立ち上げメンバーではないので、途中参加者特有の苦しみがありました。特にイベントは法律に基づいて進めるわけでも、しっかりしたマニュアルもあるわけではないので、前任が何を言って、どう調整していたかわからなくなることがあるんですよ(笑)
それでも、会場を大きくしたり、応援サポーターをつけたりして、イベントとして成長期にありましたので、ただただ流れについていくことに必死でした。
一番大変だったのは2年目、2017年でした。
前売りチケットの売り上げが悪くて、そもそも台風で開催できるのかも分からないよねって話になってしまって、あの時は本当にどうしようか悩みました。このまま開催できなかったら、チケットを買われたファンの方にも、出展されている企業の方にもご迷惑をかけてしまうという状況で、なんとか当日晴れて(笑)。あの時は社会人生活で1、2を争う窮地でした。
2018年は、上司と部下が異動して、自分が一番の古株になったんです。京まふの司令塔にならなくては、というプレッシャーがありました。その年はお寺や神社にご協力いただいて、京都市内のいろんな社寺をまわる企画をやったり、京都にゆかりのあるマンガの人気投票をやったりと、ようやく戦力になれて自分で考えた企画をできたかなと思いますね。」
ーーーーー京まふが他のマンガ・アニメイベントと異なる点はどのようなところでしょうか?
「実行委員会形式ではありますが、基本的に行政が主体となって開催しているイベントというところです。行政が、この規模のイベントを主催しているというのは珍しいと思います。あれだけの規模ですので、市役所の力だけではなく、さまざまな企業や大学の方にご協力いただく形で運営しています。」
ーーーーー行政だからできることもあるのでしょうか?
「そうですね、ご協力をお願いした時に、市役所の人間ですって言うと多少の無理も聞いていただけたなっていう手応えというか、ありがたいところはありました。」
マンガ・アニメ×ものづくり
ーーーーー京まふの開催によって、京都市のクリエイティブ産業やその他の産業にどのような影響があるでしょうか?
「京都で、マンガやアニメを制作する人や会社がどんどん増えていく、というようなところまでは、私の担当した2016年〜2018年ではなかなか難しかったんですけれども、一方で、アニメとコラボした商品を作るものづくりの会社さんが増えてきているという手応えはありました。コラボ商品を開発するということで、アニメを好きな社員さんが喜んでくれて、社内のモチベーションアップにつながったというような話も伺いました。
市営地下鉄のキャラクターと八つ橋のコラボ商品の支援をした時は、京まふの会場でほぼ完売状態で、商品が世に出ていくという経験は一つ大きなやりがいでしたね。」
ーーーーー今年で10回目の開催を迎える京まふですが、さらに10年後の展望をお聞かせください。
「新型コロナウイルスの影響もあって、しばらくはイベントのあり方っていうのが難しいと思いますね。まだコロナ前と同じようには、人を集めてはいけない状況だと思うんですよ。特に若い方が来るイベントはコロナ怖いよねっていう話なので、やっぱりあれだけ人がたくさん集まるイベントはどうなるのかなというのはありますね。
収束したらまた以前のように開催できるとは思うので、是非続いてほしいです。イベントの中身についても変わっていくと思います。マンガやアニメ自体も変わっていくだろうし、電子書籍やサブスクなど、見る方法も変わっていきますから。でも京都に来ていただいて、京都ならではの商品に触れていただくという根幹の部分は変わらないんじゃないでしょうか。」
体力と発想が大切です。
ーーーーー最後になりますが、京まふを漢字一文字で表すとしたらどのように表現しますか?
「『風』ですね。京まふを担当していると4月から9月までが本当に風のように過ぎていくんですよ。直前に台風が来たということもありましたし、『風』です。今は別の部署でマンガやアニメとは全く関係のない業務をしていますが、もしまた京まふを担当する機会があっても体力的に厳しいですね。ものすごく体力を消耗するんですよ。毎日が走りっぱなしで大変でした。同時進行でたくさんのことをやるので、実際にしんどいと思う時もありました。」
ーーーーーそんな大変な時期に、学生連携プログラムをやって下さっているんですね。
「行政の担当者だと若くても20代、大体が30代になるのですが、どうしても発想が10代や20代前半の若い方とずれていってしまうんです。こういうイベントは年齢のギャップとの戦いでもあるんです。自分たちが面白いと思っても、若い世代にはハマらない。そのギャップを埋めるために、立命館大学の映像学部の授業に参加したり、若いクリエイターの方々とお話ししたりする機会を意識して作っていました。こういった学生の皆さんとの関わりは、僕が担当していた3年間だけでなく、今もイベントの質を上げるために役立っていると思います。」
京まふはさまざまな困難を乗り越え、第10回まで受け継がれてきました。たくさんの人の想いが詰まった京まふをぜひ今年もお楽しみください!
最後までお読みいただきありがとうございました。
第四弾の2019~2020年担当インタビューも近日投稿予定です。
「KYOTO CMEX」ポータルサイトでは、マンガ・アニメ、映画・映像、ゲーム、クロスメディアの情報を発信する京都発のポータルメディアです。SNSをフォローして掲載情報をチェック!(情報募集)