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京まふ10回記念!歴代担当者インタビュー第一弾【by立命館大学映像学部学生チーム】

 

今回の開催で10回記念を迎える京まふ。京まふは、京都市と京まふ実行員会が主体となって開催しているマンガ・アニメイベントです。そこで、京まふを支えてきた歴代の担当者様にインタビューをしました。

 

今回インタビューを行ったのは、立ち上げ時期の2011年〜2013年担当の高本さんです。

 

創設当初は三つの柱を持っていた京まふ

 

ーーーーー高本さんは京まふの立ち上げ時にご担当されていたとのことですが、どうして京都でこのようなマンガ・アニメイベントを開催することとなったのでしょうか?

 

「2011年まで、京都市にはマンガ、アニメ、ゲームなどのコンテンツ産業を振興する専門部署がなかったのですが、この年に創設され、初代として配置されました。立ち上がったばかりで何をしよう?となった時に、マンガ、アニメ、ゲームを産業として振興する際に、はたして京都に市場はあるのか、ということを考えました。京都には、マンガ発祥の地として鳥獣戯画があったり、京都国際漫画マンガミュージアムがあったり、アニメでいうと京都市内ではないんですけど京都アニメーションさんがあります。芸術系の大学もたくさんあって、クリエイター育成の環境も整っています。なので、土壌はありますが、一方で、コンテンツの市場は東京に一極集中しています。企業もイベントも東京に集中していますよね。京都でコンテンツ産業を振興していくには、まず、その市場を作らないといけない、というところからスタートしました。そのためには、マンガ・アニメ作品に関わっている出版企業や映像メーカー等の企業に京都に興味を持ってもらう機会が必要であると考えました。例えば、京都の伝統産業とマンガ・アニメ作品のタイアップをしてもらうことで京都に興味を持ってもらい、そのことで伝統産業の新たな開拓が出来ないかということも考えました。

私自身、元々マンガ・アニメが好きで、東京のイベントにもよく行っていたので、私が立ち上げに当たり目指していたのは、東京ゲームショウのような、商談機能も兼ね備えた大型展示会イベントでした。マンガ・アニメ好きを対象にしたイベントというだけでなく、京都の企業とマンガ・アニメ作品、マンガ家志望者と出版社、それらのマッチングをする場を作り、それに加えて声優イベントなども出来るようにと企画をし、2012年に立ち上げ、今に至るという流れです。」

 

ーーーーー京まふは盛りだくさんなイベントですよね。

 

「そうですね。マンガ家育成もですし、京都のお土産屋とアニメ作品のタイアップなども積極的に行いました。2012年でいうと、人気アニメ作品の『魔法少女まどか☆マギカ』と八つ橋のタイアップなどもありましたね。また、全国から京都に来てもらうきっかけとして、当時,首都圏以外ではあまり見ることもできなかった声優イベントも行いました。マッチングによる産業振興、人材(コンテンツの担い手)の育成、京都観光の振興、この三つを創設当初の基本の柱として組み立てたのが今の京まふです。」

 

一年目から豪華だった京まふ

 

ーーーーーご担当されていた時期に苦労されたことはどのようなことでしょうか?

 

「立ち上げ時の苦労で言うと、京まふを企画した際、市役所内では「本当に大丈夫か?」という反応で、この取組は失敗すると思われていましたね。

ただ、意外にも、東京の出版社、アニメ制作会社、映像メーカー等の企業に、企画の説明と出店をお願いしに行くと、ほとんどの企業が、京都に魅力を感じてくれたことに加えて、京都市がマンガ・アニメ振興のために熱心に動いているのであれば、関西のマンガ・アニメ振興のために協力すると言ってくださいました。なので、一年目から多くの作品や企業に出展してもらえて、京都限定のタイアップ商品も作っていただきました。京まふは一年目から豪華だったんですが、それも協力いただいた企業や京まふの企画に関わっていただいた方々のおかげです。実際に、京都のイベントとしてはかなりの来場者数で、京都の人たちはこんなに人が来るイベントは見たことがない、と大盛況でした。

でも、東京のイベント規模感からすると、まだまだ物足りない状況です。こういった取組が首都圏以外で定着しない理由の一つは、会場規模や地理上の課題もあり、集客力が東京より少なくなる一方で、遠征のための出展費用が東京開催に比べて高く、企業側からするとメリットがないからとも言われています。第二回開催のときは、第一回目同様に出展をお願いする際に、いかに出展メリットをお伝えし、出展いただけるよう調整を行っていた点が大変でした。そういった意味では二年目が一番辛かったかもしれないです。」

 

ーーーーーそういったこともあり、京都へのコンテンツ企業の誘致やクリエイターの育成もされているということでしょうか?

 

「東京ではできないことが,京都ではそれができるという強みをたくさん作ることが必要です。例えば、寺社仏閣とのタイアップもそうです。あと、京都には芸術系大学などもたくさんあります。立命館の映像学部さんもそうだと思うんですけど、京都にはクリエイターの卵さんがたくさんいるんですよね。そこが京都の強みでもあります。

逆にお聞きしたいのですが、いざ就職するとなると、京都で就職しようと考えてますか?それとも東京を視野に入れてますか?」

 

ーーーーーやはり東京で就職したいという気持ちはありますね・・・

 

「そうなりますよね。クリエイターを京都で育てても、いずれ東京に就職してしまうんですね。京都市の立場としては、そこをどうにかしなくてはいけないのですが、効果的な打開策がないというのが今の課題です。京まふでの取り組みとして、『マンガ出張編集部』では、東京に行かなくても京都で出版社とマッチングできる仕組みを作っています。ですが、マッチングしても最終的には東京に行く人が多いのが現状です。」

 

産業振興と人材育成としての京まふ

 

ーーーーー京まふが他のマンガ・アニメイベントと異なる点はどのようなところでしょうか?

 

「京都ならではの伝統産業とマンガ・アニメ作品のタイアップを行っている点が一つ違う点です。時代の移り変わりとともに伝統産業(和服など)も厳しい状況になっている中で、新たな開拓が必要であり,その一つとして、マンガ・アニメファン層向けに、新たな試みとして、商品化を積極的に行っています。

二つ目の違う点は人材育成です。クリエイターコンテストの表彰やマンガ出張編集部などを行っています。この二点が他のマンガ・アニメイベントとは異なる点です。

総合見本市という位置付けで、京都観光の振興、商談機能、人材育成、この全てを西日本で行っているイベントは他にないと思います。」

 

ーーーーーそうですね。産業振興や人材育成は普通のイベントではあまり見られませんよね。

 

「そういった行政らしい面を持ちながらも、京まふを行政でよくありがちな、堅苦しく面白くないものにするのは絶対にやめようということは、立ち上げ時から意識して取り組みました。京都市という行政が実施する目的を意識しつつ、マンガ・アニメ好きな参加者が喜んでいただける目線を大事にしています。」

 

 

 

 

 

 

 

 

二日で完結せず、京都市全体を盛り上げるイベントへ

 

ーーーーー京まふの取り組みが与えた変化や効果はどのように考えられますか?

 

「京まふのメイン期間は二日間ですが、二日間のイベントで終わらせないようなスキームを立ち上げ当初から考えています。例えば、地下鉄のラッピングです。これは7月ぐらいから実施しています。京都市側は地下鉄に多くの人が乗ってもらいたい、企業側は関西で作品をPRしたい、この両者のメリットがマッチングして実現しています。他にも、京まふに合わせて京都国際マンガミュージアムや東映太秦映画村でイベントが開催されたり、声優の方が京まふでの登壇後に市内の映画館で舞台挨拶をすることもあります。2013年には、立命館大学の学食とアニメ『宇宙兄弟』がコラボしたこともあったんですよ。」

 

ーーーーーえ!食べてみたかったです!

 

「あと、元々京まふを機会に民間企業が京都でイベントをしてくれたらいいな、という狙いもありました。マンガ・アニメ業界にも、京都マンガミュージアムなど、京都の取組を認知していただいたこともあり、気のせいかもしれませんが、京都でのマンガ・アニメに関するイベントが増えたんじゃないかなと思っています。」

 

 

今後の鍵は「ファンの協力」「支える人たち」「資金」

 

ーーーーー今回で10回記念の京まふですが、さらに10年後、京まふはどのようになっていると思われますか?

 

「これが一番難しい質問ですね(苦笑)京まふが10回続いたのには、京まふを楽しみに参加いただいているファンの皆様やマンガ・アニメ業界の方々のおかげです。今後も、開催していくに当たっては、こういった方々の協力が不可欠です。

それ以外で重要な点が大きく二つあります。

一つ目は、京まふを裏方で支える「人」たち。私以降も、マンガ・アニメのことが好きで、熱意を持って企画などをやってくれてる人達がいるという点です。このような人達の存在は、今後も京都でマンガ・アニメの魅力を発信していく上で大変重要であり、こういう人達がいなくなると、魅力を維持することが難しいと思っています。

二つ目は「資金」。京まふは京都市の財政状況が大変厳しい中で、イベント等に使われる費用に厳しい目で見られています。

 

なので、さらに十年続かせる、持続可能なイベントにしようと思ったら、人と資金の確保が必要です。例えば資金面で言えば、京まふファンや民間事業者に協力・支援していただけるよう、京まふの魅力をさらに向上させる努力していかなくてはいけません。人の面で言えば、今運営にかかっている人達以外に京まふに継続して協力いただけるような人達のコミュニティを作っていかなければなりません。例えば皆さんのような若くてアニメが好きな方々とか・・・興味ないですか?」

 

ーーーーー興味はありますが、大きなイベントを運営する実力があるかが不安です・・・。学生の立場からどのように関わることができるでしょうか?

 

「実力より熱意が重要です!しかし、学生の立場からということになると、やはり4年で卒業してしまうので、継続的に関わることのできる仕組みを作らないといけないんですけどね。」

 

 

 

 

 

 

 

 

京まふの新たな戦い

 

ーーーーー最後になりますが、京まふを漢字一文字で表すとしたらどのように表現しますか?

 

「『挑』(いどむ)か『戦』(たたかう)かですね。挑むのは最初の年でしたが、今後は新型コロナなど、色々なものと戦っていかなくてはいけない。他都市でも、マンガ・アニメイベントなどの取り組みも盛んにやっていますので、そういった他都市間競争もあると思います。私は担当を離れて久しいですが、京まふが今後も十年、二十年と続いていくイベントになっていけるよう、違う立場から応援し続けます。」

 

産業振興、人材育成、コアファンの呼び込みの三つの柱を持ち、様々な挑戦をし続けてきた京まふ。これからも新しい戦いをしていく京まふにご注目ください!

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

第二弾の2014~2017年担当者インタビューも近日投稿予定です。

 

ライター

立命館大学映像学部学生チーム

メディア業界を目指す立命館大学映像学部生によるインターンのチームです。毎年、ファン視点からトレンドをピックアップできるのが強み。実際、このインターンを経て業界で活躍しているOB、OGも。ぜひ暖かく見守ってください!

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