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京まふ10回記念!歴代担当者インタビュー第五弾【by立命館大学映像学部学生チーム】

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今回の開催で10回記念を迎える京まふ。京まふは、京都市と京まふ実行員会が主体となって開催しているマンガ・アニメイベントです。そこで、京まふを支えてきた歴代の担当者様にインタビューをしました。

 

今回インタビューを行ったのは、2019年〜現在の担当の野沢さんです。

これまで、これからの京まふと今年度の京まふの見どころについてもお聞きしました!

 

初めての女性担当者

 

ーーーーー野沢さんのご担当時に苦労されたことはどのようなことですか?

 

「私は2019年に配属されたのですが、初めての女性担当者でした。これまでにお世話になってきた出展者さんと様々な繋がりが出来ていた一方で、新たな企業さんの参画がなかなか出来ていない状況にあると感じていました。当時、あと2年で10回目を迎える京まふが、京都市にとって今後どのような役割を担っていくかを考える転換期だと感じていたので、その上で新しい企業さんや新しいジャンルの方にお声かけをしに行きました。新しい視点での来場者を増やしたいと考えていたので、女性向けの作品や出展者さんに来ていただけるようにしました。

京まふを開催していることの理由の一つに伝統産業をはじめとした地元産業の振興がありますが、例えば伝統産業の商品は女性が手に取りやすいものが多いと感じています。例えば扇子や西陣織ポーチといった小物類など・・・。そのため、こういった伝統産業とのコラボがしやすく、かつ女性に人気のある作品とタイアップできる機会を増やしたいと思っていました。」

 

ーーーーーそうですよね。伝統産業の商品は女性が手に取りやすい商品が多いですよね。

 

「同じ伝統産業の商品の中でも購入者によって選ぶ目線の違いがあるように思います。キャラクターが大きくプリントされているものを購入される方は多いですが、私自身グッズを購入する際、普段使いが出来るようなさりげないコラボをしている商品を好んで買っていましたし、そういった志向の方人も多いように思っていました。ファン目線での商品開発を、コーディネーターさんや様々な事業者さんと相談しながら進めていきました。」

 

文化と伝統と新しいコンテンツの交流

 

ーーーーー京まふが他のマンガ・アニメイベントと異なる点はどのような点でしょうか?

 

「京都の文化や伝統と掛け合わせている点が一番違う点だと思っています。京都の企業さんや、首都圏の出展者さんも、すごく交流を大事にしているイベントで、文化と伝統と新しいコンテンツがそこで交わるというところが他の大きいイベントと違うかなと思います。

色々な都市でもマンガ・アニメイベントは行われていますが、京都は独自の色を出しやすい都市だなと思います。『和』のイメージや文化財、寺社仏閣とのコラボが出来るのは京都ならではの強みですし、特色の出し方です。」

 

ーーーーー今年の作品とのコラボビジュアルで、京都の街でキャラクターが着物を着ているものもたくさんありましたね。すごく可愛いなと思いました。

 

「今年は10回記念ということもあり、書き下ろしイラストもいただきました。コラボビジュアルは例年出展社さんの協力の元作成しているのですが、今回初めての試みとして、お祭りをはじめとした京都の伝統行事とコラボをしました。新型コロナウイルスが感染拡大してからほとんどの伝統行事が縮小や中止されていて、京都らしい風景が少なくなっていると感じていました。ですが、アニメの世界だったらそれは表現できるのではないか?という思いがあったので、そういう特別な意味も込めて、各所に御協力いただき、今回のコラボビジュアルが完成しました。」

↑京まふ2021のコラボビジュアル

 

人と人を繋ぎ合わせる

 

ーーーーー野沢さんが思われる京まふが京都市のコンテンツ産業やその他の京都の産業に与えた影響や効果はどのようなものでしょうか?

 

「大きく二つあって、一つは京都の企業とマンガ・アニメのコラボを進めてきたことです。京都市が支援を始めたのが京まふが始まってからですが、ノウハウもなく1から作り上げてきた中で、10年間で累計約70社1400種類以上の商品を、コーディネーターさんを中心に支援してきました。コンテンツを使用する上で、著作権の問題や契約に関することを教えていくことに最初とても苦労したと聞きています。その成果として、現在たくさんの企業さんに携わっていただいていますし、自主的にそのようなコラボをしてくださっている企業さん、これまでの実績を元に版権元や他のイベント主催者から直接お声掛けをいただく企業さんが増えてきていることが大きな変化かなと思います。

二つ目は、京まふだけの影響ではないと思っていますが、京都市がコンテンツ産業に関する取組,京都市内に芸術系の大学が多いことなどの相乗効果を発揮したことで京都市内にアニメ関連の制作会社が0から7社に増えたことです。コンテンツ制作の現場が京都市内に増え出していることは大きな変化かと思っています。」

 

ーーーーーアニメ関連の制作会社が増えたということは、どういったことが要因でしょうか?

 

「観光以外での京都の良さを感じてもらえたことが一つの要因だと感じています。コンテンツを支援をしているといっておきながら、京都市はコンテンツ企業の誘致に補助金を出すなど、手厚い支援ができているわけではないんです(苦笑)。作品支援であったり、何か相談があると一緒に考えたり、時にはロケハン同行をしたり,共同体のような形で動いていることが多いです。そのような中で、京まふを開催していることや京都の街や文化に魅力、自然の豊かさを感じていただいて、京都だったら何か違うことが出来るんじゃないかなと思ってくださる方が多いです。

また、コンテンツ振興を担当する部署があることも一つの要因です。マンガ・アニメ・ゲームは日本の象徴的な文化ですが,商業的な部分が強いので,市役所内にコンテンツ制作について理解のある部署があることも大きな要因だと思います。

様々な企業さん・クリエイターさんと出会い,マッチングする仕事をして、人と人との繋がりでお仕事をしていることが結果に繋がっているのかなと思います。京まふをやってきたことで企業さんとの繋がりが出来て、京都でイベントをやりたい、作品のロケハンをしたいといったご相談をいただくことも多いので、そこに対して私たちがご協力をさせていただいています。このような繋がりは、これまでの十年間で蓄積されてきたものだと思っています。」

 

形にこだわらずに続けていけたら

 

ーーーーー今年で10回目を迎える京まふですが、十年後、京まふはどのようになっていると考えられますか?

 

「もしかしたら、リアルの場はなくなっているかもしれないですね。京まふは参加いただいているファンの皆様やコンテンツ業界の方々の協力が不可欠ですし、こういった方々が求める形に常に変化していくべきだと考えています。ですが、『京まふ』を何らかの形で残していきたいと思っていることと、二日間だけではなくより長く、より広く『京まふ』をやっていきたいと思っています。京まふは二日間の単発のイベントというイメージがありますが、年間を通して京都市にマンガ・アニメ・ゲームの文化が浸透していくことが大事だと思っているので、京まふを通じてそのように認識してもらえる必要があるという意識を強く持っています。そのために、年間を通じて様々なコンテンツ系のイベントと連携をしていることを知ってもらえるように発信しています。より京都の街の人のためになるように、京都のコンテンツ産業を支える事業になって欲しいと思っています。」

 

ーーーーー今の大きなイベントの形にこだわらずに続けていくことが出来たら、ということでしょうか。

 

「そうですね。個人的な意見ですが、ビジネス目線だと、マンガ・アニメだけではなく、CGやNFTなどコンテンツの色んな技術の新しいものを集めたカンファレンスや商談会をしていくなどをもっとやってもいいのかなと思いますし、支援目線だと、京まふを通じて首都圏の企業さんとのつながりもできたので、そういった方たちと京都の学生やクリエイターを掛け合わせるような出会い・気づきの場をもっと増やしたいです。行政的な考えになると、如何に学生に京都にとどまってもらうか、如何に企業に京都に移転してもらうかということに注力しがちですが、色々な方に京都との接点を持っていただいて、心の片隅に『京都っていいな』と思ってもらえるようなつながりを増やしていくほうが大事だと思いますし、京まふがそのきっかけになれたらと思います。」

 

今回の新たな取り組み『旅まふ』

ーーーーー今年度の京まふの見どころや新しい試みはどのようなものでしょうか?

 

「10回記念ということで、一つ新しい試みとして、『旅まふ』という京都の街を声で巡るコンテンツを作っています。『旅まふ』とは、京まふで宣伝大使を務めていただいた声優の方たち演じる先生と修学旅行を体験してもらう企画です。新型コロナウイルスの影響もあるので、新しい技術を用いて、三密をつくらずに楽しめる仕組みにしています。本音はこれをきっかけに京都に来ていただいて、京都の魅力を感じていただける、地域の活性化につなげるような企画にしたかったのですが、緊急事態宣言などもでており、移動がしにくい状況でもあるので、現地に来なくても楽しめる仕様も追加予定です。」

 

ーーーーーQRコードを読み込んで・・・のような感じですか?

 

「QRコードではなく、GPSを使ったものです。なので、一つの場所に多くの人が一度に集まるということにはならず、密を回避することが出来ます。地点が決まっていて、その付近の範囲に入ると、『チェックイン』という状況になって、いつでもどこでも聞けるようになります。

GPSとARを連動させたSoundAR™という技術で、最近類似の仕様が増えてきていると思います。 SoundAR™は耳で聞いてそこの場所に実際いるような感覚になれる技術です。SoundAR™のような音のAR技術は、今はイベントや展示会などのエンターテインメント領域での活用が多いですが、今後は観光地などでの「教育的コンテンツ」としての活用、横断歩道や信号の情報など音声で周辺状況を伝えるといった「福祉的コンテンツ」への応用も期待されています。今回『旅まふ』で使用してみて、今後、様々な事業者の方・クリエイターの方に対して活用方法がお伝え出来るのではないかと思っています。」

 

京都の街、世界、産業を彩る

 

ーーーーー最後になりますが、京まふを漢字一文字で表すとしたら、どのように表現されますか?

 

「実はここ数年裏テーマをつけていて、2019年は掛け算の『×』(かける)、2020年はコロナ禍での開催だったので色々な意味での『空・開・明』(あける)でした。そして、今年は『彩』(いろどる)です。企画書をよく見ると書いていたりします。あまり気にされないんですが(笑)

なぜ今年が『彩』かというと、マンガ・アニメで京都の街を彩る、ということに加えて、オンライン展開もするのでオンライン上から京都の文化を発信して世界を彩る、ということ、そして観光を中心に京都の産業が厳しい状況になっているのをマンガ・アニメやコンテンツの力で色を戻したい、という思いからです。

今後、京まふを地域の方々に落とし込んでいくために、マンガ・アニメやゲームを文化としてもっと京都の人に知って欲しいと思います。サブカルチャーとしてではなく、日本の大事な文化であると多くの人に認識いただけたらと思っています。

岡崎や京都駅、映画村などでマンガ・アニメ・ゲームのイベントが年中行われるような形で京まふの展開をしていきたいです。」

 

京まふは従来の形にこだわらず、より京都の街のために、より京都のコンテンツ産業のために、発展しています。新企画の街歩きSound AR企画『旅まふ』など、10回記念で盛り沢山な9/18(土)、9/19(日)の京まふが待ちきれませんね!

 

 

五週に渡ってお届けしてきた、京まふ10回記念歴代担当者インタビューは今回で最終回となります。

最後までお読みいただき誠にありがとうございました!

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