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通常非公開の太秦スタジオ・時代劇撮影の現場を目撃。京都フィルムメーカーズラボの一日に密着【京都ヒストリカ関連企画イベントレポート】
- 2025/12/17
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映画・映像産業の発展と振興を目的としたプロジェクト、「京都ヒストリカ」の一環として、京都フィルムメーカーズラボというプログラムが行われているのはご存じでしょうか。
このプログラムは、世界各国からクリエイターが集まり、映画・映像産業の次世代を担う人材を育んでいます。本記事では、2025年12月4日に開催された東映京都撮影所・松竹京都撮影所での時代劇撮影を見学するのプログラムレポートを中心に、京都フィルムメーカーズラボの魅力をお伝えしていきます。
冬の京都を彩る5つのプログラム「京都ヒストリカ」について
京都ヒストリカは、映画・映像産業の発展・振興を目的に、撮影所を中心とした京都の映画・映像文化の資産を活かし実施している5つの事業(京都ヒストリカ国際映画祭、京都フィルムメーカーズラボ、京都映画企画市、太秦上洛まつり、HISTORICA X)の連携を表すブランドです。
12月2日から7日にかけて中心的プログラムの2つ、京都ヒストリカ国際映画祭と京都フィルムメーカーズラボが開催されました。
京都ヒストリカ国際映画祭について

京都ヒストリカ国際映画祭は、「歴史」にテーマを絞った日本で唯一の映画祭。2025年で17回目の開催を迎えました。
今年の映画祭のテーマは「太秦100年」、そして「アンチ・カタルシス」。12月2日から6日間の会期中、京都文化博物館での映画上映だけでなく、「ヒストリカ お座敷」と題したトークイベントや、YouTube上でのライブ配信イベント「夜のヒストリカ」などの関連企画が開催されました。
詳細は公式ページをご覧ください。→https://historica-kyoto.com/
京都フィルムメーカーズラボについて

歴史に焦点を当てる京都ヒストリカ国際映画祭の精神を共有する形で、パラレルに京都で進行するイベントです。若手クリエイターが時代劇の短編映画を制作するプログラム「ハンズオン時代劇」と、映像ビジネスのキーパーソンを集めてこれからの映画を語り合い、気づきを共有するレクチャープログラムの「マスターズセッション」の2つに分かれています。
ハンズオン時代劇では、審査により選ばれた若手のクリエイターが、映画の街・京都を訪れ、チームを組んで時代劇を制作します。世界中からの参加者を募集しており、条件の一つに「英語でのコミュニケーションが取れること」が挙げられるなど、国際的な人材育成に力を注いでいます。

マスターズセッションでは、映画監督を講師として招き様々なトピックについて議論をしたり、殺陣講座を受けたりして時代劇のリアルに触れられるプログラムです。今年はイタリア出身の映画監督、ヴィンチェンツォ・カヴァッロ氏による「ヴェネツィア国際映画祭・ビエンナーレ・カレッジ・シネマVR監督トーク」などが開催され、マスターズたちが映画についてより理解を広げる機会になりました。
公式ホームページ→https://www.kyotofilmmakerslab.com/ja/
KYOTO CMEXは京都ヒストリカの共催団体として、主に広報面からイベントを支援しています。
ハンズオン時代劇制作の現場を目撃

今回は、マスターズセッションの参加者に同行する形でイベントに密着。この日(12月4日)は、ハンズオン時代劇の制作現場を見学するプログラムが開催されました。会場となったのは、太秦の東映京都撮影所と松竹京都撮影所です。ハンズオン時代劇の2チームが、各スタジオに分かれて撮影している様子を見にいきました。
前述の通り、京都ヒストリカ国際映画祭、京都フィルムメーカーズラボともに、大変国際色豊かなイベントです。様々なバックグラウンドを持った監督・クリエイターなどが参加し、スタジオ内では英語が飛び交っていました。
本番真っ只中の時代劇の現場を見る
カメラが回っていないときは、演出方法について和気あいあいとした議論が飛び交う現場ですが、ひとたび「本番です!(rolling!)」の声が現場に響くと、一気に緊張した空気に包まれます。ハンズオン時代劇参加者の真剣な眼差しに、文字通り息を殺して撮影の様子を見守りました。

ハンズオン時代劇撮影の様子
特に、東映京都撮影所では、東映太秦映画村に遊びに来ているお客さんから見えるオープンセットで撮影していたこともあり、戸惑いながらも試行錯誤している様子が大変印象的でした。写真は木の葉を散らす演出を、ブロワーを用いて試している様子です。
映画ビジネスに興味があるマスターズセッションの参加者は、「実際の現場を目の当たりにすることで、今後映像プロダクションに携わる際のイメージが湧いてきて参考になった」と語ります。やはり実際に現場の熱量を感じることは重要で、普段何気なく消費している映像作品への見方が違ったものになる経験を得られます。
普段立ち入れない現場も見学

その他にも、通常は関係者以外立ち入り禁止のスタジオの内部を、撮影所スタッフの方の解説付きで見学しました。例えば、屋内にあるスタジオの地面が土になっている理由は、掘ったり木を植えたりするためと教えてもらいました。
撮影が入っていなかったオープンセットの街並みを見て回ることもでき、様々な有名映画・ドラマを生み出してきた場所に足を踏み入れることができ、一同大興奮。今後京都での映画撮影を考えているマスターズたちにとって、有意義なものとなりました。
まとめ

松竹京都撮影所でハンズオン時代劇に参加した皆さん
ここまで、京都フィルムメーカーズラボより、12月4日に行われた撮影所見学の模様をお届けしました。
世界各国のクリエイターが東映・松竹の京都撮影所に集い、時代劇制作の現場と、普段は立ち入れないスタジオの裏側を体感しました。京都フィルムメーカーズラボは、マスターズセッション、ハンズオン時代劇ともに次世代の映像産業を担う人材にとって、京都の映画文化と技術を肌で感じる貴重な機会を提供しています。
当日の様子を収めたレポート動画も後日公開予定ですので、ぜひ公式チャンネルをチェックしてください。


