京まふ応援サポーター：佳村はるかさん作のイラストを元にした「まふうさたん」の飴細工って作るの大変なの？実際に飴細工を作った伊藤軒に聞いてみた

7月20日に行われた『京都国際マンガ・アニメフェア2017（以下、京まふ）』の記者会見で初披露された「まふうさたん」飴細工。京まふ応援サポーターの佳村はるかさんのイラストをベースに、京都の和菓子店『伊藤軒』が作った飴細工ですが、食べるのが惜しくなるような可愛さです。この「まふうさたん」飴細工を完成させた『伊藤軒』の生産管理担当者、上野彰修氏（以下、上野氏）に根掘り葉掘り聞いてみました。上野氏によると、「まふうさたん」飴細工の「実際の製造は弊社の和菓子職人が行っています」とのこと。

【京まふ記者発表速報⑨】応援サポーターの佳村はるかさんによる着物姿のウサギのオリジナルキャラクター「まふうさたん」飴細工が初発表。「まふまふしている襟に『京』の字を書けば京まふになる」とコメント。数量限定でみやこめっせ会場にて販売予定。 #京まふ #kyotocmex pic.twitter.com/rDLBz91TIG
— KYOTO CMEX（京都シーメックス） (@kyotocmex) 2017年7月20日

―『伊藤軒』についてざっくりと教えていただけますか？

上野氏：元治元年（1864年）創業、今年で創業153年目です。”京の手仕事”を合言葉に、豆せんべいや飴、くずゆなど様々な商品を全国の百貨店様・高級スーパー様・専門店様などに提案しています。伊藤軒の商品を語るにあたり外せないのが「遊び菓」です。「ちょっとずついろんなお菓子食べれたらいいのにねぇ」というお客様のお声に応え、ビスケット、花林糖、金平糖、ボンボンなど10種のお菓子を小袋に詰め合わせた商品です。おかげさまで全国のお客様にご好評頂き、歌舞伎役者の中村橋之助（現・中村芝翫）さんに、雑誌『サライ』でお気に入りのお菓子として取り上げて頂いたこともあります。

また、2015年6月16日の和菓子の日に、新本社併設工場・店舗・カフェ『菓寮伊藤軒』をオープンしました。店舗では和菓子の枠にとらわれず、職人の遊び心で洋菓子も製造したり、カフェでは野菜ソムリエが提案する野菜ランチが食べられます。お客様に喜んで頂けるような店舗作りによって、弊社の信条でもある”笑顔の創造”を目指しております。店舗での人気アイテムは『あんこロール』です。餡子とロールケーキ、和菓子と洋菓子がマリアージュしてできた一品です。関西ローカルですが『よ～いドン！』という番組で取り上げて頂いたこともあり、午前中に完売してしまうことも多い非常に人気の商品です。（日持ちがしないため、本社店舗限定販売で通販はしておりません。）

―「まふうさたん」飴細工ですが、職人さんの手作りになるのでしょうか？その場合、一つ作るのにどれくらいの時間と手間がかかるものなのでしょうか？

上野氏：「まふうさたん」飴細工もそうですが、弊社では職人の手作りで”有平細工”を作っております。弊社は10人近くの職人を抱えておりますが、細かい”有平細工”を作れるのは1人しかおりません。”有平”と言われてもピンとこないかと思いますが、”有平糖（あるへいとう・ありへいとう）”と呼ばれ、金平糖やカステラと同じく、オランダから渡ってきた南蛮菓子です。原料の砂糖に少量の水飴を加えて煮詰め、火からおろした後に着色や整形を行って完成させるものです。金太郎飴のような“組み飴”も有平糖の一種ですが、特に細かい細工で花や蝶など様々な形を飴で表現したものは”有平細工（工芸菓子の一種）”と言われています。”有平細工”を作るのはとても難しく、熟練した職人が一つ一つ作ります。「まふうさたん」飴細工は一つ完成させるのに40分かかります。その作業はとてつもなく繊細で、手の温度と時間経過によって作品が変わってしまうので、高い技術力が求められます。