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みなさん、劇伴音楽はお好きですか?

アニメの劇伴で印象に残っているものはありますか?


作品を観ていないときでも、音楽を聴くだけで名シーンが鮮やかに蘇る――そんな経験をしたことがある人も多いのではないでしょうか。


「劇伴」とは、“劇中伴奏音楽”の略称で、映画やアニメ、ドラマなどのシーンに寄り添い、物語を彩るために作られた音楽です。いわゆるサウンドトラックですが、ただ流れているだけではなく、登場人物の感情や場面の緊張感を音で表現する大切な役割を担っています。

 

そんな劇伴を生で堪能できるのが「京伴祭 -KYOTO SOUNDTRACK FESTIVAL- 2025」です。920日、ロームシアター京都メインホールにて開催されたこのイベントでは、アニメのサウンドトラックを主役に据え、作曲者本人と演奏家の方々による迫力の生演奏が、なんと4時間にもわたって披露されました。2日目の9月21日には、アニメ「青のミブロ」にフィーチャーしたスペシャルイベント『京伴祭×「青のミブロ」ミブロック』も開催されました。そちらの模様は別の記事でご紹介しますので、ぜひお楽しみに!

 


今回は、そのイベントの模様をできるだけそのままお届けします。当日のセットリストも公開されているので、ぜひ音楽を聴きながら読んでみてください。

参加された方は当日の興奮を思い返す機会に、残念ながら参加できなかった方も追体験を楽しんでいただけると嬉しいです。

 

セットリストはこちらからご覧いただけます:
 https://lnkfi.re/kyobansai_2025

※未配信の楽曲は含まれていません。

 

会場に入ると、まず目に入ったのは、祝「京伴祭」と書かれた大きなスタンド花の列。入口からすでに多くの来場者で賑わっていて、イベントの熱気が伝わってきます。

 

 

 

スタート直後に歓声の渦! 梶裕貴さんと林ゆうきさんが登壇

 

席について、観客が開演を今か今かと待ちわびる中、ステージ上のスクリーンに音声合成ソフト・キャラクター、「梵そよぎ(そよぎそよぎ)」が登場。開演前の注意事項を説明してくれました。

そして梵そよぎの声、「どこかで聞いたことがある」と思った方もいるかもしれません。それもそのはず、あの大人気声優・梶裕貴さんの声を元に作られているのです。

ここでなんと最序盤にして、特別ゲストの梶裕貴さん御本人が登場!!会場は大きな歓声に包まれました。


壇上では、梶さんと主催者の林ゆうきさんが和やかにトークを展開。
梶さんは「林ゆうきさんのクリエイティブパートナー兼声優の梶です」と自己紹介し、会場を笑顔にしました。
林さんは以前から梶さんを(しつこく)熱心に誘っていたことや、ついに共演がかなったという裏話なども披露してくれました。

その流れで、梵そよぎを軸にした「そよぎフラクタル」についても詳しく解説がありました。


そよぎフラクタルの詳細は、当日会場でも紹介されたサイトから確認できます:
リンクはこちら  https://soyogi-fractal.com/

 

トークの中では、2026 年 3 月 8 日に東京ガーデンシアターで開催される梵そよぎのイベントにも触れられました。

そこで披露される楽曲の中に、林ゆうきさんが提供した曲があるとのことで、その一つ「かなたとこなた」の制作秘話が語られることに。

そしてなんと、その「かなたとこなた」をこの場で初披露! 本イベントを彩る記念すべき1曲目となりました。

梶さんはここで一旦ステージを後にし、林さんがステージ中央のキーボードの前に立って楽器隊の皆さんとともに演奏を披露。

スクリーンには未公開のミュージックビデオが映し出され、客席のペンライトは自然と青一色に染まり、幻想的な空間が広がりました。


演奏が終わると、梶さんが再びステージに戻ってこられました。お二人は客席を見渡しながら、青一色に輝いたペンライトの光景について「まるで夜空のようだった」と語り合い、会場は温かな拍手に包まれました。

ここで梶さんと林さんは一度ステージを後にし、代わって MCの天津飯大郎さん、鈴木Mob.さんが登場。

軽快な挨拶とともに、いよいよ本イベントの正式な幕開けが告げられました。
ステージ後方では DJ の TAIJI さんが音楽を流し、会場のテンションをさらに高めていきます。

 

村山☆潤さん――会場を“ブルー”一色に

最初の作曲家ゲストとして、村山☆潤さんが登場!
代表作にアニメ『ブルーロック』などを手がける作曲家で、会場からも大きな拍手が送られました。


さっそく一曲目の演奏に突入。披露されたのは『ブルーロック』の楽曲「BLUELOCK -VS. U-20 JAPAN-」です。スクリーンにはアニメの映像が映し出され、音楽とシンクロする迫力のシーンに観客の視線が釘付けになりました。

一曲目に続いて、「Attack Begins」「GENIUS~EPISODE
NAGI」「Reo&Nagi」(圧巻のギターソロ!)、「U20」「Farewell to KAIBUTSU」、そしてラストの「Start Line」まで、ブルーロックの楽曲を一気に披露。


ステージのライトがサッカーボール模様のように見えたり、観客のペンライトが青一色に染まったりと、会場全体がブルーロック愛でひとつになっていました。

 

村山さんは MC を一切挟まず、颯爽と登場して疾風のように去っていきました。その姿もまた作品の世界観と重なり、かっこよさが際立っていました。

 

 

さて、村山さんのステージが終わると、再び MCの天津飯大郎さんと鈴木Mob.さんが登場。
観客とのコール&レスポンスで会場を盛り上げます。

今回の京伴祭には休憩時間が設けられていないため、各ステージの転換はこの MC タイムと DJ による音楽でつながれていきました。
DJのTAIJIさんは、出演アーティストの楽曲を含む100以上の素材を用意していたそうで、会場ではさまざまな作品の楽曲が夢のようにマッシュアップされ、まるでスペシャルメドレーのように楽しむことができました。

 


照井順政さん ― 呪術廻戦からガンダムまで、ステージはまさに最高潮☆

二番手にエレキギターを背負って登場したのは、『呪術廻戦』や『機動戦士 Gundam GQuuuuuuX』の音楽を手がける照井順政さん。

幕開けは TV アニメ『呪術廻戦 懐玉・玉折』、五条悟のシーンに合わせて「無下限呪術」。

「こんばんは、照井と申します。最後まで楽しんでいってください」と簡潔な挨拶を添えると、すぐに次の曲へ。ストイックなステージングに痺れます。


続く「呪術師・伏黒恵」では伏黒の映像が重なり、三曲目「呪術師・釘崎野薔薇」ではクラシックギターの響きとともに、野薔薇らしい情熱的なムードが会場を赤く染めます。

 

MC では、今回初出演となる心境と劇伴への思いを語った照井さん。

ここでスペシャルゲスト、NOMELON NOLEMON のみきまりあさんが登場。『GQuuuuuuX』の挿入歌で歌唱を担当されている縁での出演です。

そしてなんと、アニメ『呪術廻戦』に登場するアイドル・高田ちゃんの楽曲「最高潮☆JUMPING!」が披露され、会場はまさに“最高潮☆”の盛り上がりを見せました。


その後はボーカルの KOCHO さんが登場し、五曲目「時間外労働」(七海建人と真人の戦いのシーン)を披露。

KOCHO さんの妖艶なヴォカリーズが映像と響き合い、観客を圧倒しました。

続く「伏魔御廚子」で荘厳に『呪術廻戦』パートを締めくくられ、後半は『GQuuuuuuX』楽曲へと移行します。

「ゼグノヴァ(I_056)」の熱演を経て KOCHO さんは退場。続く「目覚めたい魂たち(I_004)」では会場のペンライトが緑一色に染まりました。

ここで再び MC となり、照井さんが「演奏中にイヤモニが消えるハプニングがあった」と語られ、場を和ませました。そして再びみきさんが登場。

終盤は「Far Beyond the Stars」、さらに「水槽の街から(I_006_lyric)」の二曲をみきさんの歌唱で披露。圧巻の歌声とともに、照井順政さんのステージは感動的なフィナーレを迎えました。

 

 

 

ここでMC休憩に入り、スペシャルゲストとして登場されたのは、田中知之さん(Fantastic Plastic Machine)。ご一緒にステージへ呼び込まれたのは、再び姿を見せた林ゆうきさんです。

 

林さんからの紹介によると、田中さんはユニバーサル・スタジオ・ジャパンにて『僕のヒーローアカデミア』や『呪術廻戦』の4Dアトラクションの音響監督を務めてこられた方で、実は林さんの高校時代の先輩にあたるそうです。

 

また、田中さんは近年劇伴作家としてデビューされ、今秋放送予定のTVアニメ『SANDA』の音楽を担当されています。今回は放送前ということで楽曲披露はなく、PVの上映のみとなりましたが、「ぜひ来年はステージで楽曲を」と期待を抱かせる場面でした。

 

 

 

ここまでで、イベントの序盤から中盤の模様をお届けしました。
後編では、和田薫さん・高梨康治さん、そして林ゆうきさんによる圧巻のステージをレポートいたします。どうぞご期待ください!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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立命館大学映像学部学生チーム

投稿者プロフィール

メディア業界を目指す立命館大学映像学部生によるインターンのチームです。毎年、ファン視点からトレンドをピックアップできるのが強み。実際、このインターンを経て業界で活躍しているOB、OGも。ぜひ暖かく見守ってください!

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