
2025年2月28日金曜日、ホテル日航プリンセス京都にて「第7回 京都デジタルアミューズメントアワード表彰式」が開催されました。
京都デジタルアミューズメントアワードは、京都に縁があり、コンテンツ制作に意欲的に取り組む若手クリエイターやグループを表彰する制度です。過去には任天堂株式会社や、株式会社京都アニメーション、株式会社ライデンフィルム、京都芸術大学映画学科 北白川派などが受賞しています。
「京都のクリエイター層は学生からコンテンツ制作企業まで非常に振り幅が大きく、その層の厚さを改めて実感した」とアワード表彰委員会委員長 細井浩一氏が振り返るように、今回の受賞者は個人ゲームクリエイター、大学院生、団体とバリエーションに富んだものになりました。
それぞれの受賞者とコメント、各受賞者に対する講評は以下の通りです。
・京都デジタル アミューズメントアワード大賞(京都府知事賞)1名
受賞者:KOTAKE CREATE(コタケクリエイト)
京都を拠点に活動する個人ゲームクリエイター。2023年に開発したゲーム『8番出口』が世界中で大ヒット、8番ライクと言われるゲームジャンルができるなど社会に大きな影響を与えた。
コメント: 『8番出口』は初めてリリースしたゲームです。これほど大きな反響をいただいたのは予想外で、自分でもまだあまり現実味を持てていません。これからもたくさんゲームを開発していく予定なので、『8番出口』同様、多くの方に愛されるようなゲームを作ることができればと思っています。
・京都デジタルアミューズメントアワード賞 1団体、1名
受賞者: ヨーロッパ企画 映像制作部
京都を拠点に活動している劇団。貴船を舞台にした映画『リバー、流れないでよ』(2023年公開)は、第33回日本映画批評家大賞脚本賞など国内外で多くの賞を受賞した。
コメント:私たちは京都二条に本拠を置き、四半世紀以上活動してきました。映画作りは2020年から始め、今作が2作目です。時間ループに巻き込まれた人たちが貴船を脱出しようとしたり、逆に貴船のおもてなし精神にくつろいだりするという作品です。配信もされているので、ぜひご覧ください。
受賞者:長谷川 綾音(はせがわ あやね)
立命館大学博士課程の大学院生。音のみでもプレイができるゲーム『Lively Cosmos(ライブリー コスモス)』を開発し、ゲームを通じて障がい者も垣根なく活躍できる社会の実現を目指す。
コメント:プレイヤーとしても制作者としても、より多くの人が楽しめるようなゲームを作りたいと考えたことが、今行っている研究のきっかけです。研究を進めるうちに、ゲームは視覚障がいの有無を問わず愛され、人と人をつなぐものだと考えるようになりました。今後も、研究と作品作りを融合させるような取り組みを続けていきたいと考えています。
・講評 立命館大学映像学部 名誉教授、ZEN大学 コンテンツ産業史アーカイブ研究センター所長 細井浩一氏
KOTAKE CREATE 『8番出口』
ゲームのユニークさについて、審査委員会内で非常に高い評価を受けました。個人であってもまだまだ新しい面白さを生み出せる余地があることを、社会に対して知らしめた作品です。京都にいる、個人を含めた多くのゲーム開発者だけでなく、ゲーム業界を目指す学生などにとっても目標になれるような存在といえるでしょう。
ヨーロッパ企画 映像制作部 『リバー、流れないでよ』
水の流れに比喩されている時間の流れ、その中で右往左往する人々の様子が非常に京都的であることが印象的な作品です。「京都」を冠する賞にふさわしい、優れたエンターテインメントだという声が審査員から上がりました。
長谷川 綾音 『Lively Cosmos』
高い公共性があるゲーム作品の基盤となりうる基礎研究であり、大学などの研究機関が集中している京都ならではの活動として、審査員から高く評価されました。ゲームクリエイターとしての素養も感じられました。
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