京都発:マンガ・アニメ、映画・映像、ゲーム、クロスメディア、メタバースのポータルメディア

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

8月31日に終了した「ゴジラVS京都」。スタンプラリーや限定ショップなど楽しい企画が盛り沢山でした。そんなイベントがどう運営されているのか気になりませんか?

今回は「ゴジラVS京都」で主催を務めるプロジェクト実行委員長寺尾卓宏さん(日新ドレスト株式会社)に貴重なお話を伺いました。

イベントを立ち上げた経緯や会期延長した時の反響など、ここでしか読めないお話ばかりです!

※インタビューはイベント開催中の7月末に行いました※

 

──まずはどういった経緯でイベントを開催されたのでしょうか?

もともと京都市さんからご紹介をいただきました。私どもはグッズの製造会社ですが、イベントにもチャレンジしてみないか、とお声掛けいただいて、東宝さんをご紹介いただきました。

 

──イベントをこれまでに開催されたことはありますか?

今回初めてイベントの開催をしました。本当は去年のオリンピック開催に合わせて「ゴジラVS京都」を立ち上げてやるという方向性でしたが、新型コロナウイルス感染症の影響で延期し、今年の4月にやっと開催したという感じですね。

 

──開催された目的を教えてください。

観光とコンテンツをコラボすることによって、観光誘致や活性化につなげることです。

もともとグッズを作ることに長けていますので、今回で言えば西陣織などの京都の伝統産業の企業とコラボすることによって情報発信、文化発信をイベント目的としての位置付けとさせていただきました。

コロナ禍で人流を避けなければいけないという課題はありましたが、少しでも観光地に貢献できるような流れとしてアナログスタンプラリーで市内を回遊していただき、スタンプラリーで観光地とつなぐようなコンセプトを考えました。

 

──イベント開催までの準備期間はどのくらいでしたか?

準備期間はあまり長くなく、イベント実施期間等は去年の12月に決定しました。実際新型コロナウイルスの影響がどこまで落ち着いているか全然予想できなかったので、開催回避の判断は結構ギリギリまで迷っていました。イベントやると決めてからは、約3ヶ月強くらいで開催準備を進めました。

 

──イベントの主催としてどのようにイベントに関わられているのでしょうか?

まず、私ともう一人の2名で、イベントを実施するためのプロジェクト実行委員会を立ち上げました。私が実行委員長という名前でさせていただいていますけども、ほぼほぼ自分で動いて立ち上げたイメージで、手探りですね(笑)

あとグッズのプロデュースはすべて弊社でさせていただきました。このパンフレットも弊社が作りました。

↑「ゴジラVS京都」パンフレット 表紙

 

──キービジュアルをご担当されているイラストレーターの中村佑介さんにはどういった経緯でご依頼されたのですか?

今回東宝さんからのご要望で、中村佑介さんに今回の「ゴジラVS京都」のキービジュアルをご依頼させていただきました。もともとゴジラ・ストア大阪のキービジュアルも中村佑介さんに描いていただいているという経緯もありました。

 

──キービジュアル制作で中村佑介さんに依頼された要素はありましたか?

弊社からの要望は、京都がイメージされる場所やモノをいれることですね。例えば京都市営バスや市営地下鉄、二条城ですね。あとはゴジラとのコントラストを考えた時に、中村さんご本人に決めていただきました。

花札風というアイデアも中村さんからで、大変素晴らしいデザインになりました。

 

──初めてイベントを開催されるうえで、苦労されたことや大変だったことはありますか?

苦労の連続でしたね(笑)

初めてのことなので、何が正解なのか何が間違っているのかわからない中で、進めていました。実際イベントを立ち上げるまでは一週間に1回定例会をしてみたり、進捗管理の打ち合わせをしたりしていました。

特に大変だったのは、いろいろな企業様が携わっていただいているなかで、関係各所に確認をすることで企業様側の動きが停滞してしまったり、情報が行き詰まってしまったりとか、そういった確認・監修作業というのはイベントを立ち上げる中で大変だという印象を受けましたね。

新しいことにチャレンジしたので、とても勉強にもなりましたし、何をしなきゃいけないのか、何を確認しなきゃいけないのかよく分かったので、良かったかなと思います。

 

──緊急事態宣言の影響により一時中止、そこから会期延長という流れがございましたが、その経緯や当時の反響はどうでしたか?

緊急事態宣言が開けたのが6月21日で、当初の予定でいけば、一週間足らずで終わらなきゃいけないという状況でした。いろいろな企業様に携わっていただいていますし、観光誘致が一つの目的でもあったので、この夏休み期間中をもって延長という風にさせていただきたいなというところでした。

延長するにあたって、新たな商品を作らせていただきました。そういった商品も含めて販売をしていく中で、皆さんにやはり買っていただきたいなという思いもあります。そういった面で延長という決まった時は、いろんなSNSで反響もございましたし、ありがとうという面もありました。ただ、残念というところでいえば、「GODZILLA GENERATION 開田裕治×西川伸司」原画展が追加でできなかったというところもございました。

京都駅ビルさんには元々、5月の連休前にゴジラの立像と開田裕治さん・西川伸司さんの原画やご紹介パネルを西口広場に展示していただく予定だったのですが、緊急事態宣言によって実施出来ませんでした。

ですが、グラフィカルイルミネーションや、駅前に看板を設置していただいて、いろいろと貢献していただきました。

 

『ゴジラVSコング』が7月2日に公開されましたが、当初は5月14日公開に向けてPRとして盛り上げていこうとしていました。また『ゴジラS.P <シンギュラポイント>』というアニメ版ゴジラがNetflixで放映されていて、地上波ではKBS京都で放映されていました。PRがあまりできず、なかなか大変な状況ではありました。しかし宣言が明けてから再開の目処が立ったので、ここは前向きに考えています。

 

──コロナ禍での開催は、グッズの製造や販売にも影響しましたか?

製造にはあまり影響はないです。販売に関しては人流をおさえなければいけないので、京都市外のお客様が遊びに来ることがコロナの影響で出来ないという厳しい状況でした。当初緊急事態宣言が出るタイミングに合わせて、ゴジラ・ストアさんにご協力いただいて、一部商品を販売し、京都にお越しになれないお客様にも商品を販売させていただいたという経緯がございました。

またYouTubeで配信されている「ゴジばん」のキャラクターの絵も、イベント用に合わせて弊社のイラストレーターが描き起こしました。グッズに転用させていただいたり、スタンプラリーの絵にさせていただいたり、いろいろと弊社が制作したものが多いです。

──グッズのこだわりのポイントはありますか?

基本的にゴジラはファンの年齢層が幅広いです。小さいお子様からご高齢の方までファンがいる中で、一番強いのは40代〜60代といった方々だと思っています。スタンプラリーで観光地を巡ることが今回の商品の一つのコンセプトですから、上部分はほぼファミリー層向けに、「ゴジばん」をあしらって商品化をさせていただきました。(↓パンフレット グッズ紹介参照)

中盤の方は、今回のキービジュアルを題材として商品化をさせていただきました。(↓パンフレット グッズ紹介参照)

下部分は、京都の企業様とコラボレーションさせていただいた商品です。風呂敷や肩掛け巾着、黒染めという伝統産業に基づいた商品で、伝統産業の技術を活用するという点を意識した商品を製作させていただきました。(↓パンフレット グッズ紹介参照)

期間限定でトラフィカ京カードのキービジュアル仕様のものも販売させていただいています。※現在は販売終了

↑「ゴジラVS京都」パンフレット グッズ紹介

──京都の伝統産業とのコラボ商品が印象的ですね。普段から京都の伝統産業とのコラボを意識されているのですか?

京都の文化をどんどん発信していかないといけない中で、ゴジラに問わず、いろいろな形でこういった発信ができる場っていうのは必要だと思います。一般的には高級品と認識される西陣織が手に取りやすい価格で購入できるというところも魅力だと思います。余談かもしれませんが、西陣織というとシルクなどの糸で作ることが多いですが、今回ポリエステルという生地を使って少し安価に作らせていただいています。製品も大変綺麗なので、遜色なくご覧になっていただけるのではないかと思います。

 

──伝統産業と聞くと敷居が高いように感じましたが、コンテンツとコラボすることで身近に感じました。

そうですね。是非機会があれば、コラボレーションもひとつありなのかなと思います。

 

──京都とコンテンツが結びつくことで生まれる可能性や影響はあると思いますか?

たとえばアニメや寺社仏閣といったいろいろな題材とのコラボが広がることによって、幅広い層に京都を知っていただくきっかけになります。

観光地を巡りながら、その場所が聖地化されて、そういったところに訪問する意味が出てくるのかなと思います。歴史と捉えると難しく感じるところではあると思いますが、そこにひとつワンポイント、キャラクターというものが入ることによって、敷居も低くなります。逆に身近なものとして捉えていただけるような環境になるのかなと思います。今後、京都という日本で有数の観光名所とコンテンツとのコラボが行われることに魅力を感じますね。

 

──今後コロナ禍が終わり、外国人の方が来日した際、コンテンツとのコラボを生かしていきたいとお考えですか?

是非したいですね。今回はコロナがなければ、ゴジラは外国の観光客の方に対してはだいぶ喜んでいただけるようなものだったと思います。今回は日本の方にお越しいただきましたが、やはり諸外国の方にも参加いただけるようなイベントにもしたいなと思います。

 

──京都とコンテンツのコラボに魅力を感じるというお話でしたが、「ゴジラVS京都」も連携企画の一つである「京都国際マンガ・アニメフェア2021」(京まふ)とのコラボは今後進んでいくのでしょうか? 

「ゴジラVS京都」としては連携第一弾ということで発信させていただきました。実際さまざまな形で京都市さんに協力いただいた経緯もありますので、いろいろな面で告知もさせていただきました。今後に関して今は申し上げられないこともありますが、何かコラボができればいいなという思いで今動いております。

イベント立ち上げの裏側や、コロナ禍での開催で苦労されたことなど貴重なお話をありがとうございました!

京都とコンテンツのコラボの新たな可能性を見出せたように思います。今後の動きに注目したいです!

 

インタビュー中にもご紹介しました「ゴジラVS京都」も連携企画の一つである「京都国際マンガ・アニメフェア2021」(京まふ)は、9月18日(土)19日(日)に無事閉幕しました。

当日参加された方もできなかった方も、当日の模様をお届けした記事がたくさんありますので、是非チェックしてみてください! 

ゴジラVS京都:https://gvskyoto.jp

京まふ:http://kyomaf.kyoto

KYOTO CMEX 京まふ関連記事: https://cmex.kyoto/category/京都国際マンガ・アニメフェア(京まふ)/

 

最後まで読んでいただきありがとうございました!

「ゴジラVS京都」スタンプラリーを回遊した記事はこちら: https://cmex.kyoto/2021/09/18/31735/

TM & © TOHO CO., LTD.

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

立命館大学映像学部学生チーム

投稿者プロフィール

メディア業界を目指す立命館大学映像学部生によるインターンのチームです。毎年、ファン視点からトレンドをピックアップできるのが強み。実際、このインターンを経て業界で活躍しているOB、OGも。ぜひ暖かく見守ってください!

この著者の最新の記事

「KYOTO CMEX」ポータルサイトでは、マンガ・アニメ、映画・映像、ゲーム、クロスメディアの情報を発信する京都発のポータルメディアです。SNSをフォローして掲載情報をチェック!(情報募集

ピックアップ記事

【公式イベント情報】京都ヒストリカ国際映画祭公式連動イベント「HISTORICA X 」~ AIの限界を超える、感情と共感を生むIP戦略 ~12/8開催!

【京まふ2024】京都国際マンガミュージアム 『九井諒子展&「ダンジョン飯」迷宮探索展』と『コスミート102』に行ってみた!

【京都ヒストリカ国際映画祭 プレイベント】平安時代とアニメーション 〜時代を越えるミレニアムアニメーション〜in京都文化博物館が11/23に開催!

【公式イベント情報】第16回京都ヒストリカ国際映画祭開催!戦国スペクタクルドラマ『SHOGUN 将軍』など上映される18作品公開中![開催日:2024/12/3(火)~12/8(日)]

【TVアニメ『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚- 京都動乱』】(京まふ2024)スペシャルステージ、(T・ジョイ京都)先行上映会&トークイベントにお邪魔しました!!

【映画『ふれる。』トークステージ】イジリ倒される前田挙太郎さんがかわいい!あだ名は〇〇?【京まふ2024レポート】最新場面カット&監督が語る作品の見どころ紹介も!

【京まふ2024】必読!おこしやす大使の岡本信彦さん&山根綺さんにインタビューしました!!

【京まふ2024】いよいよ公開!映画『ふれる。』トークステージ!の様子をレポート!!

【京まふ2024】京まふオープニングステージに行ってみた!

【京まふ2024】おこしやす大使の直筆メッセージ!?京まふ寄せ書きブース

【京まふ2024】突如現れた!幻の『有頂天家族』推朱印(おしゅいん)とは?狸のしっぽがかわいい!

【京まふ2024】TVアニメ「先輩はおとこのこ」トークイベント「ぱいのこ修学旅行」レポート!梅田修一朗や加隈亜衣、梶原岳人らによる妄想ボイスの生披露も

【京まふ2024】TVアニメ「凍牌」京まふスペシャルステージの様子をレポート!!

【京まふ2024】1日目みやこめっせステージ「甘神さんちの縁結び」のステージ取材をしてきました!

【公式イベント情報】第2回コンテンツクロスメディアセミナー開催概要公開&申込受付中!三上 洋 氏が語る「生成 AI の現在と未来」(2024年11月22日(金)開催・参加費無料)

全て表示

2024年度の人気記事

【公式イベント情報】参加費無料!2024年10月16日開催の第1回コンテンツクロスメディアセミナー開催概要公開&申込受付中!小畑正好氏が語る「デジタルコンテンツによって変革するコンテンツ制作」

【公式イベント情報】第2回コンテンツクロスメディアセミナー開催概要公開&申込受付中!三上 洋 氏が語る「生成 AI の現在と未来」(2024年11月22日(金)開催・参加費無料)

【公式イベント】西日本最大級のマンガ・アニメ・ゲームの祭典『京まふ2024』開催決定!9/21(土)・22(日)みやこめっせを中心に開催!メインビジュアルや出展者申込情報公開中!

【マンガ・アニメ分野】「ブルーアーカイブ (ブルアカ)」地域周遊型イベント「ブルーアーカイブ ~げにうららか☆京都満喫春の旅!~」開催!(2024年4月16日より順次開催)

【KYOTO CMEX独自取材】映画「鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎」に没入!!東映太秦映画村のコラボイベント【後編】

全て表示

人気記事ランキング

ついに鶴丸がやってくる!聖地・藤森神社での太刀「鶴丸」(写し)の奉納・展示がまもなくスタート!

10月6日までイベント開催中!【鬼滅の刃 京ノ御仕事】東映太秦映画村でのコラボをご紹介!

京都通になれる!?TVアニメ『京都寺町三条のホームズ』聖地巡礼

「孤独のグルメ」原作者:久住昌之氏、「FFシリーズ」生みの親:坂口博信氏が登壇するセミナー、京都で開催!【10/16・30、参加費無料】

寺町三条のホームズ原作者、望月麻衣先生独占インタビュー&聖地巡礼!

平安貴族は〇〇を見せない?若者の服は〇色!?「光る君へ」マンガ「あさきゆめみし」が100倍面白くなる!京都文化博物館【紫式部と『源氏物語』】学芸員さんに話を聞いてきたパート2

京都通になれる!?TVアニメ『京都寺町三条のホームズ』聖地巡礼 その2

アニメ『有頂天家族』の聖地としても有名な京都の下鴨神社でみたらし祭開催中【07/30まで!】

巡ってわかる、心の距離。TVアニメ『月がきれい』聖地巡礼~前編~

【映画・歴史好き必見】東映太秦映画村の魅力をどどんとご紹介!新選組隊士の殺陣や実写映画『銀魂』等様々なロケが行われているオープンセット、仮面ライダー立像の撮影も可能!

全て表示

カテゴリ一覧

種類別カテゴリ

ジャンル別カテゴリ

年別記事一覧

ページ上部へ戻る