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【公式イベント】メタバースの理念を謳う「メタバース・トラスト・ステートメント京都宣言」発表&第5回京都デジタルアミューズメントアワード表彰式

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国境がないメタバースを運用する理念を示す10の指標「メタバース・トラスト・ステートメント京都宣言」発表

2023年3月15日、京都市下京区にある京都デザイン&テクノロジー専門学校にて、メタパース・トラスト・ステートメント京都宣言の発表および第5回デジタルアミューズメントアワード表彰式が行われました。

メタバース・トラスト・ステートメント京都宣言は、一般社団法人CiP協議会と京都府が中心となり策定した指針です。発表にあたり、一般社団法人CiP協議会専務理事の菊池尚人(きくち なおと)氏、理事長特命担当の大坪太郎(おおつぼ たろう)氏、山下晃正京都府副知事が登壇しました。

まずは宣言発表に先立ち、京都府担当者による「太秦メディアパーク構想」の進捗状況の説明がありました。「太秦メディアパーク構想」は京都府が進めているプロジェクトのひとつです。その趣旨は、映画の町・太秦を中心に、教育、ものづくり業界、医療、観光などの異業種を融合し、新産業を創出すること。構想の中にはメタバースの活用に向けた「京都府メタバース共創プロジェクト」というプロジェクトがあり、「社会拡張」「別世界創生」の2つの視点から、10のプロジェクトが現在進行中です。

続いて山下副知事から、メタバース・トラスト・ステートメント京都宣言発表に至った経緯や意義についての説明がありました。

今後は、メタバースを活用し、そこで活動する個人のサポートを考えていかなければいけません。それには倫理観やモラルが必要です。しかし、メタバースには国境がなく、日本の法律や倫理観を適用することはできません。そこでメタバース世界ならではの自由を尊重しつつ、倫理観やモラルも大切にするために考えられたのがメタバース・トラスト・ステートメント京都宣言です。

宣言に賛同する企業はこの宣言のロゴマークを自由に、無料で利用できます。いわば、一種の認証マーク的な存在と言えるでしょう。「このロゴマークがあれば安心だとユーザーに信頼されるよう、草の根活動的に広がっていってほしい」と山下副知事は語りました。また、今回の発表はいわばベータ版的な位置づけであり、今後ユーザーの声を取り入れて変化していく可能性についても言及しました。

続いて、菊池氏から宣言の具体的な内容の発表です。

内容の発表に先立ち、菊池氏はCiP協議会が開催するメタバース講座で学ぶ学生が、海外の学生と毎日長時間メタバース社会で遊んでいる様子を紹介。このような若い世代が自由にのびのびとメタバースを楽しめる社会の実現に向けての抱負を語りました。メタバース世界で使用する音楽の著作権に関する権利問題など個別具体的な議論を、内閣府などとも相談して進めているそうです。

メタバース・トラスト・ステートメント京都宣言は10の宣言から成り立ちます。その中には、菊池氏が紹介したような「海外」や「若者、子ども」についての宣言も含まれています。

最後に、大坪氏からメタバース・トラスト・ステートメント京都宣言のロゴマークの紹介がありました。

「人」「価値の共有」「誠実・安心」をキーワードに作成されたロゴマークは、メタバース・トラスト・ステートメント京都宣言の遵守を宣言する企業であれば誰でも自由に、無料で使用できます。「これから世界中で宣言の理念を共有し、ブラッシュアップしていく。それと合わせてこのロゴも広く使われ、発展していってほしい」と大坪氏は発表を締めくくりました。

メタバース・トラスト・ステートメント京都宣言については、京都府の公式サイトでも詳しく紹介されています。こちらもぜひご確認ください。
メタバース・トラスト・ステートメント京都宣言 Metaverse Trust Statement Kyoto Declaration

京都のものづくり精神を継承する若手クリエイターに評価が集まった「第5回京都デジタルアミューズメントアワード」

メタバース・トラスト・ステートメント京都宣言の発表のあとは、休憩を挟み第5回京都デジタルアミューズメントアワード表彰式が行われました。

京都デジタルアミューズメントアワードは、京都に縁のある若手クリエイター・グループを表彰し、活動を奨励・支援する表彰制度です。賞の種類は大賞のほか、部門賞としてゲーム・インタラクティブ部門と映画・映像・アニメーション部門の2つがあります。

平成30年度からスタートし、過去の受賞者には京都アニメーションや任天堂など京都や日本を代表するクリエイターチームや、立命館大学映像学部や京都芸術大学映画学科といった教育機関も受賞しています。

第5回のそれぞれの受賞者と内容は以下のとおりです。

大賞(京都府知事賞):株式会社コト Team Ratatone

故横井軍平氏により設立された会社の若手チーム。独自の譜面をタッチして音楽を演奏する知育楽器デジタル楽器『Ratatone-ラタトーン-』を開発。

ゲーム・インタラクティブ部門賞:Toofuuni’s Works with asobi-lab

立命館大学OBのインディゲーム開発者と学生による産学連携ゲーム開発チーム。Zoomなどのカメラ機能を利用しゲームが楽しめるプラットフォーム『Tewo』を開発。

映画・映像・アニメーション部門賞:株式会社ライデンフィルム京都スタジオ

アニメーション制作会社の京都スタジオ。地元企業と連携し、地方スタジオの元請け体制作りや京都におけるアニメ産業の裾野の広がりに寄与。

会場には、株式会社コト Team Ratatone プロダクトマネージャー 西村元志(にしむら もとゆき)氏、Toofuuni’s Works 西田次郎(にしだ じろう)氏、株式会社ライデンフィルム京都スタジオの室長・アニメーション監督の坂本一也(さかもと かずや)氏の3名が受賞者代表として参加し、山下副知事から表彰状を受け取りました。

その後、3名はそれぞれコメントを発表。西村氏は実際にRatatoneによる得賞歌演奏を交え、音を専用楽譜で視覚化し、聴覚と視覚で音楽を楽しめるRatatoneの特徴を紹介。創造性あふれる社会をこれからも作っていきたいという抱負を述べました。

西田氏は、学生とのコラボレーション作業について紹介。Tewoのプラットフォームを西田氏が、ゲームを学生が開発した経緯を説明しました。そして、Tewoというプラットフォームのポテンシャルを最大限活かした、バリエーション豊かなゲームを学生たちが作成したことへの感謝を延べ、これからも制作に励みたいと語りました。

坂本氏は、ライデンフィルムが京都以外にも大阪や埼玉の深谷にも地方スタジオを置いていることを紹介。アニメ制作が集中する東京から離れ、業界全体が抱えている人材育成や労働環境改善に取り組んでいる様子や、地方でのアニメ制作に少しずつ成果を上げている現状について語りました。そして、これからも継続して京都でアニメ制作・事業展開をしていきたいといと抱負を述べました。

表彰式の最後を締めくくるのは、京都デジタルアミューズメントアワード表彰委員会委員長細井浩一(ほそい こういち)氏による講評です。

「エンターテイメントはバーチャルな空間へ、体験型のコンテンツへと移動しつつあります。その中で、楽しさとは何かという根源的な疑問が問い直されるようになってきました。この問いに向き合い高い発想力を発揮した作品に評価が集まりました」と細井氏は受賞者選考のポイントについて説明。活動をしている「地域」とのつながりが薄くなりがちなバーチャルエンターテイメントの時代に、京都のものづくり精神の継承や産業への貢献性という点からも各受賞者は高く評価できると述べました。

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